役割と提供形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 05:03 UTC 版)
著者に名を連ねず、ストーリー構成について同じような役割を担うスタッフが存在したことから、漫画原作者の存在が認知されるようになった後でも、その役割は明確ではない。漫画作品には漫画家の名のほか、漫画原作者とは違った多種多様なクレジットが存在する。それらは脚本執筆以上の役割や、それ以下の役割であることを暗示するためと考えられるが、個々に厳密な定義は存在しない。 漫画原作者は漫画作品の絵を描かない。作品設定、ストーリー、セリフなどを作成し、プロット(物語)作成または脚本家としての役割を果たす。 原作を提供する形態として、小説形式・脚本形式で提供され、作画担当者が漫画に起こす場合と、原作者が「ネーム」という「漫画のコマ割」までを作って作画担当者に渡す場合とがある。後者の「コマ割」という形態をとる原作者は、主に漫画家の経験者である。 主流は小説形式ではなく、シナリオ形式である。 完成済みの文学作品(小説、ライトノベルなど)・テレビアニメ・コンピュータゲームなどを原作として、漫画が描かれることもあるが、このような場合はオリジナルの著作権者が個人(自然人)よりも法人(ゲーム会社、アニメ制作会社などの企業)である場合が多いため、「漫画」原作者とは呼ぶことはない。作者が故人となっている過去の作品が漫画原作となることもあるが、これについても同様である。 原作とは別に「企画」「原案」「監修」「協力」などと、さまざまなクレジットが存在する。しかし、いずれの実態や役割も明確にされていない。 漫画作品は古くから、漫画家や編集者とのディスカッションなどを通じて製作されていた。その発展形態として、少年誌を中心に編集者が事実上ストーリーを作成して漫画家が作画をする作業形態が存在すると、漫画家や関係者によって語られている。しかし、編集者が著者としてクレジットされている例は見られない。
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