平芯ランプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 06:58 UTC 版)
平芯ランプは毛細管現象によって芯で吸い上げらた灯油を燃焼させる単純な種類の灯油ランプである。このタイプのランプが壊れると容易に火災につながる可能性がある。平芯ランプにはバーナーが取り付けられた燃料タンク(油壷)がある。燃料タンクにつけられた4本の支柱が炎が風に吹かれるのを防ぐとともに、熱によって引き起こされる上昇気流を強めるためのガラスの火屋を支える。ガラスの火屋には燃料を完全に燃焼させえるための適切な上昇気流を発生するために「喉」(わずかなくびれ)が必要だが、上昇気流は炎を通過する空気(酸素)をより多く運び、裸火が発するよりも明るく煙のない光を発生させるのに有効である。 火屋はより重要な役割のために使用される。マントルや芯の保持部には外縁の周りに穴が開けられている。ランタンが点灯されて火屋が取り付けられると、熱による上昇気流がこれらの穴から空気を吸い込み、建物の煙突のようにマントルの上部を通過する。これには冷却効果があり、マントルが過熱するのを防止する。明確な安全条件に、適切に取り付けられたチムニーがある。これはアラジン社のランプを使用する際にはより重要な事項である。このタイプのランプではより高速の気流を生成するために細い火屋が用いられている。この条件はランタンの種類に関係なく遵守する必要がある。 バーナーには、通常は木綿で作られた平らな芯がある。芯の下部は油壷に浸かって灯油を吸収し、芯の上部はバーナーの芯管から伸びていて芯の調整機構がついている。芯が芯管の上にどれだけ露出するのかを調節することによって炎の大きさを制御する。芯管が芯を囲み、バーナーに達する適切な量の空気を確保する。芯の伸びは通常、芯を支える歯付きの金属スプロケットであるクリックを操作する小さなノブで行われる。芯を高くしすぎて、芯管の上部にあるバーナーコーンを超えて伸びた場合、ランプからは煙と煤(未燃焼の炭素)が生成される。ランプが灯されると、芯に吸収された灯油が燃えて透明で明るい黄色の炎が発生する。灯油が燃焼すると、芯の毛細管現象によって燃料タンクからさらに灯油が吸い上げられる。すべての平芯灯油ランプは、炎に下から冷気が供給され、熱気が上から排出されるバーナー設計(デッド・フレイム)が採用されている。 このタイプのランプは、その信頼性の高さから鉄道事業において列車の前後および手信号の両方で非常に幅広く使用されていた。大きな町の外では夜に競合する光源がほかになかったので、これらのランプの限定的な明るさでも、警告および信号として機能するのに十分であった。
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