工業における歩留まり向上に関する考察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 15:57 UTC 版)
「歩留まり」の記事における「工業における歩留まり向上に関する考察」の解説
日本では製造段階のトレーサビリティ導入をはじめとした様々な品質管理のための努力が成されているが、その一方で日本人が物品の製造に適した精神性(民族性)であるという説(日本人論)もみられる。このような説ではアニミズム的観点から、日本人は自身の製造している製品や、あるいはその製造に用いている機械設備に対しての思い入れが強く、この関心の高さから製造面での異常に気付き易く、結果的に歩留まりの向上に貢献しているとしている。 この事の是非は複雑な問題を含むが、その一方で1980年代までのアメリカ合衆国の自動車産業を含む製造業では、自分たちの作っている製品に無頓着な労働者が多く、例えば自動車では腕にアクセサリを付けたまま作業して車のボディに傷が入ろうが、さほど気にされていなかった。また修理に持ち込んで分解したらコカ・コーラのガラス瓶が見つかったなどとも、まことしやかに言われた。しかしこの塗装面にキズの残るものなど様々な問題のある車両を日本に輸入した場合に、新品に対して思い入れの強い日本人客からクレームも出たため、製造面でそのような傷を付けないなど作業規律が徹底された。結果的に労働者らは自分の作っている製品に注意を払うようになり、歩留まりも向上したなどと言う話も聞かれる。 一般に製造業では、労働者が製品に対して好意的であるか(愛着があるか)否かによっても、歩留まりに大きな較差が出る傾向があると言われる。
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