学説上の衛星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 08:27 UTC 版)
月の誕生を説明する説で最も有力視されているジャイアント・インパクト説によれば、原始地球と火星サイズの原始惑星テイアの衝突で生じた破片が集まって月になったとされているが、2011年にカリフォルニア大学サンタクルーズ校のエリック・アスフォーグ (Erik Asphaug) とマーティン・ジャッツィ (Martin Jutzi) は、この時誕生した月は1つではなく、一方が他方の3倍の大きさを持つ2つの月が同時に誕生し、互いに地球を挟んで反対側に位置していたと主張した。この2つの衛星は、誕生から8000万年間は互いに軌道を共有しながら安定して公転していたが、やがて地球の重力によって衛星の軌道が遠ざかり、太陽の重力の影響で衛星軌道が不安定になると、小さな衛星が大きな衛星に引き寄せられて、2km/sという低速で衝突したとされている。この2つの衛星が衝突し現在の月の大きさになっただけでなく、低速度の衝突によって2つの衛星が融合した結果、現在のような月の表と裏の非対称性が生じたと説明している。 ただしこの説では、月の裏側にアルミニウムが豊富に存在する理由を説明できない。また、2012年の産業技術総合研究所の研究によれば、月の表側の模様は、直径300kmという巨大な小惑星の衝突によって生じたという説を提唱している。 詳細は「プロセラルム盆地」を参照
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