天弓1型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 09:23 UTC 版)
「天弓 (台湾のミサイル)」の記事における「天弓1型」の解説
天弓1型(TK-1、Sky Bow I)は、台湾・中華民国の中山科学技術研究院(CSIST)が開発した地対空ミサイル(SAM)システムである。元々はMIM-23ホークミサイルの空力特性に基づいており、オリジナルのミサイル設計は、レイセオン・AIM-54 フェニックスの拡大版に似ていた。TK-1はその後再設計され、最終的にはアメリカ政府がMIM-104パトリオットミサイルの技術の85%をレイセオンに譲渡許可を出した後、アメリカのパトリオットミサイルと外観が酷似したものになった。台湾にライセンスされた技術パッケージには含まれていないため、Track-via-missile(英語版)(TVM)ホーミング機能はない。TK-1は、終末期にはイルミネーターレーダーを必要とし、アメリカのスタンダード SM2 ミサイルと同様に動作する。 TK-1は主に低・中高度攻撃を標的として設計された。天弓1型の各発射機には、探知・標的追尾用の長白1・Sバンドフェーズドアレイレーダーが1つ、終末期にはXバンド(18-32GHz)で動作するCS/MPG-25標的イルミネーターレーダーが2つ搭載されており、3または4連装ミサイル発射機に対応する。慣性/自動操縦と中間段階指令誘導と終末段階セミアクティブ・レーダー・シーカーの組み合わせにより、TK-1ミサイルはエネルギー効率の良い飛行経路で目標の近くまで飛行し、シーカーのセミアクティブ・レーダーは戦闘の最後の数秒間、目標の照射が可能で、目標が回避または電子対抗(ECM)する時間を最小限にすることができる。 ミサイル発射機には2つのタイプが存在し、1つは集中的な攻撃に耐えられるように設計された地下シェルターに収容されている。 もう一つは牽引式の移動型で、台湾の密集した防空ネットワークの不可欠な部分となっている。台湾本土の基地に加え、中華民国陸軍は澎湖諸島と東引島の離島にTK-1を配備し、台湾海峡と中国の福建省、浙江省、広東省の一部を射程内に収めている。 2006年8月号のJane's Missiles and Rocketsで、TK-1地対空ミサイル(SAM)システムが退役すると報じられた。TK-1ミサイルはTK-2ミサイルに置き換えられ、既存のTK-1システムはレーダーをアップグレードされ、TK-2規格の訓練シミュレーターに更新されることになる。
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