多重周期関数と周期格子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/04 15:43 UTC 版)
さらに、ユニットセルの概念を定義する。T1 , ... , Td を d 次元実数ベクトル空間 R d {\displaystyle \mathbb {R} ^{d}} の基底とする。このとき、 V ( T 1 , ⋯ , T d ) = { x 1 T 1 + ⋯ + x d T d | 0 ≤ x 1 ≤ 1 ⋮ 0 ≤ x d ≤ 1 } {\displaystyle V({\boldsymbol {T}}_{1},\cdots ,{\boldsymbol {T}}_{d})=\left\{\left.{x}_{1}{\boldsymbol {T}}_{1}+\cdots +{x}_{d}{\boldsymbol {T}}_{d}\left|{\begin{matrix}0\leq x_{1}\leq 1\\\vdots \\0\leq x_{d}\leq 1\\\end{matrix}}\right.\right\}\right.} を、T1 , ... , Td が張るd 次元平行六面体、あるいはユニットセルという。 特に、d 重周期関数 F に対し、T の列ベクトル全て、即ち T1 , ... , Td が F の周期となるような d 次正則行列 T = ( T 1 , … , T d ) {\displaystyle T=({\boldsymbol {T}}_{1},\dots ,{\boldsymbol {T}}_{d})} が定まる。本稿では、このような T を、F の周期行列と言うことにする。また、 T Z d {\displaystyle T{\mathbb {Z} }^{d}} を、F の周期格子という。 簡単な計算から以下の定理が判る。 定理 (周期関数の標準化) ― T を、d 次元正則行列とし、実 d 変数関数 F が T の列ベクトル全て、即ち T1, T2, ..., Td を F の周期とするような d 重周期関数とする。この時、 H ( y ) = F ( T y ) {\displaystyle H(y)=F(Ty)} とすると、H(y) は、e1, ..., ed のすべてを周期とするような d 重周期関数である。 この定理により、周期行列が存在するようなd 重周期関数の問題は、すべて、標準正方格子を周期格子として持つような周期関数の問題に帰着されることが判る。
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