外国人への偏見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/13 02:14 UTC 版)
「ラトクリフ街道殺人事件」の記事における「外国人への偏見」の解説
ラトクリフ街道が通っているイーストエンドは、当時は水夫や労働者が何千人もひしめいており、様々な外国人が往来していたことから、何の根拠もなしに無数の移民たち、アイルランド人、ユダヤ人、中国人が犯罪を起こしているといわれた。 本事件においても、最初はポルトガル人が犯人と推測された。理由は、イギリス人にしては残酷すぎるというだけであり、さらに後にはアイルランド人に偏見が向けられた。犯人と断定されたジョン・ウィリアムズも、調書には「背の低い足の不自由なアイルランド人」と記述されていたが、実際にはスコットランド人であり、『タイムズ』紙の報道によれば足の不自由もなかった。 イギリスの劇作家で政治家でもあるリチャード・ブリンズリー・シェリダンは後に議会で、この事件について以下のように語っている。 人々は、あっという間に犯人はポルトガル人だと納得してしまいました。ポルトガル人以外に考えられないというのです。「だって、ポルトガル人じゃなかったら誰がこんなことするものか」これがたいていの人の思いでした。次の外国人といえばアイルランド人。殺人はアイルランド人らしいと考えられ、犯人はアイルランド人しか考えられないということになりました。 — サイリャックス 1995, p. 93より引用(柳下毅一郎訳)
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