売り上げの低迷 (OS Ver.3)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 17:02 UTC 版)
「Amiga」の記事における「売り上げの低迷 (OS Ver.3)」の解説
同じく1992年、Amiga OS Ver.3と最新のAGAチップセットを搭載したAmiga 1200とAmiga 4000をリリース。しかし経営は苦しく、特にゲームパソコンとしてAmiga 500に続くヒットが期待されたAmiga 1200対応のゲームが揃わないのが痛手であった。安価なPCとは言えコンシューマー機よりもはるかに高価、PC/AT互換機でもVGAとSoundBlasterが標準となったこの頃にはかつてのような先進性は失われ、市場もゲームメーカーも欧州にしかない、などさまざまなマイナス要素があったためである。これまでAmiga 500用のゲームを供給し続けてきた欧州のゲームメーカーも、Amigaにおけるゲームの違法コピーの蔓延とMEGA DRIVEの爆発的普及を見て、Amiga 1200より売り上げが見込めるMEGA DRIVE(あるいはPC/AT互換機)に乗り換える所が続出した。Amigaの売り上げの低迷に加え、同年にはコモドールがCommodore 64/Amiga事業と平行して進めていたPC/AT互換機事業が失敗に終わり、事業を清算するなど、会社が傾き始める。同年、アタリからは対抗馬としてAtari Falconが投入されていたが、既に欧州でもホームコンピュータ市場が消滅しつつあり、アタリも経営が苦しいのには変わりがなかった。両社とも業績悪化に伴ってハードウェア開発が停滞しており、パーツのコモディティ化に伴ってどんどん価格が下がるPC/AT互換機に比較して価格性能比が悪く、かつてのライバルであったAppleのMacintosh Quadraには性能面で対抗できなかった。Amigaの最新機種であるはずのAmiga 1200とAmiga 4000に搭載されたAGAチップセットがECSチップセットの小規模な改良に過ぎず、またAmiga 1200にMC68030ではなく時代遅れのMC68020を採用するなど、当時の流行であったSVGA対応のマルチメディアPCの対抗馬となりえなかったことは、プロユーザーとゲーマーを大いに失望させた。 なお1992年には、日本ではAmigaで作成されたCGが前面に出された「ウゴウゴルーガ」の放映がスタートしている。 1993年、MEGA DRIVEに奪われたゲーム市場を奪回すべく、Amiga 1200を改良し、ゲームパソコンではなく純粋なゲーム機としてデザインしたAmiga CD32をリリース。パソコンを基にしているとは言え史上初の32ビットゲーム機であったが、MEGA DRIVEの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』に相当するキラータイトルが用意できず、ゲーマーにアピールするところがなく失敗に終わる。このAmiga CD32が実質的にAmiga最後のハードとなった。一方同年にはアタリもゲーム機Atari Jaguarをリリース。Jaguarに注力するためとの名目でFalconの出荷を停止し、遂にパソコン市場から撤退するが、Atari JaguarもAmiga CD32と同じく失敗に終わった。北米ではもはや映像のプロくらいしか顧客がないAmigaを扱う小売店は皆無に等しく、欧州でもAmigaが売れているのはドイツとイギリスのみとなっていた。
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