型式試験業務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 08:45 UTC 版)
遊技機メーカーより提出された書類および実射試験にて、遊技機が規定上の条件を満たしているかどうかを都道府県公安委員会の委託を受けて型式試験を行う機関(指定試験機関)である。遊技機のスペックはこの試験に通るか否かで決まる。 遊技機が世に出るまでには、おおまかに 遊技機メーカーが指定試験機関に試験を申請 不可であれば1.に戻る 各都道府県の公安委員会の検定を受ける 台がホールに設置され、ホール所轄の警察が試験をする デビュー という流れになっている。 型式試験の手数料は都道府県警察関係手数料条例で定められており、1機種につきパチンコでは約152万円、パチスロでは約181万円(いずれも内税)である。試験が終了すると型式試験結果書が交付される。機種名に「***2」や「***A」など、一見意味のない英数字などが付加されていることがあるが、これは一度試験を落ちた機種は同じ機種名で型式試験を受けられないので、再度試験に出す際に数字を振ったりアルファベットを振って別の機種扱いにしているためとされる。あるいは、確実に試験を通すために、僅かに仕様の異なる同様の機種を、末尾のみ異なる機種名で複数同時に試験に出す場合もあるようである。また、型式試験をクリアした機種でも実際にはさまざまな事情で発売されずお蔵入りになるケースも珍しくないため、「***2」といった機種名であっても「***1」は発売されていないケースも多い。なお、遊技機メーカー毎に形式試験の申請枠に上限があることから子会社を設立しサブブランドを立ち上げることにより多くの申請枠を確保するという手法が多くの遊技機メーカーで取り入れられている。 稀なケースだが、保通協の試験は通過したものの、各都道府県の公安委員会が認可せず設置不可になるケースもある。「**県には****という台が全く無い」というのはこういった理由からである。三重県では2000年までパチスロ機の設置を一切認めていなかった。2000年代中盤では秘宝伝(大都技研)が山梨県では設置が認められなかったケースなどがある。都道府県によっては、役物などに独自の規制を設けている場合もあり、そのためメーカー側が当該都道府県向けに独自のバージョンを投入するケースも見られる。例としてはニューモンロー(西陣、大当たり時に中央に置かれた女性の役物の服が脱げ裸になるのが売りだった)が京都府において設置が認められず、結局メーカーが女性の役物に水着を着せたバージョン(通称「京都バージョン」)を用意することで設置が認められた事例がある。
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