善意の受益者の返還義務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 02:23 UTC 版)
善意の受益者は、その利益の存する限度(現存利益の範囲)において、これを返還する義務を負う(703条)。問題となっている利得が自己に帰属していると信じていた場合、その信頼を保護する必要があると考えられるためである。他方、このことから利得者が自己の財産に対するのと同一の注意を怠ったことによって目的物に毀滅を生じた場合には責任は軽減されないと解されている。 現存利益の基準時は返還請求時である(多数説)。 受益者が善意の場合、既に収取された果実については返還義務を負わないが(189条)、価格返還の場合、利得の運用益は損失者が当然に取得したであろう範囲においては現存利益に含まれるものと解されることから返還義務を負う(最判昭38・12・24民集17巻12号1720頁)。
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