周波数転換工事と廃止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 08:25 UTC 版)
戸畑発電所による発生電力の周波数は50ヘルツであった。前述の通り九州では他にも50ヘルツの発電所があり、九州の電力圏の過半を占める60ヘルツ圏の中に50ヘルツ圏が混在する状態が戦前から長く続いていた。周波数をどちらかに統一する動きはあったものの資金・資材や電力需給の面から容易ではなく、実行には至っていなかった。こうした中、戦後の電力需要増加で50ヘルツ圏の需給が逼迫したのを機に周波数統一が具体化し、研究の結果、北九州の戸畑・小倉両発電所の改造を需要家側の60ヘルツ転換と並行して実施することとなった。戸畑発電所では1・2号発電機が改造対象に選ばれ、1950年4月に2号機、同年12月に1号機の60ヘルツ化工事が完了した。残る3・4号機の改修工事は他に火力発電所が新設されたことから中止され、そのまま1960年(昭和35年)12月8日付で廃止された。 1960年代に入ると、九州電力では火力発電主体の電源開発計画を立案して新型の大容量発電所を相次いで建設した。北九州では1961年(昭和36年)10月に出力15万6000キロワット(翌年から31万2000キロワット)の新小倉発電所が運転を開始している。その一方で旧式発電所は相次いで廃止されており、戸畑発電所についても残存設備(出力5万4000キロワット)が1964年(昭和39年)8月31日付で廃止された。
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