分離用超遠心機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/07 04:25 UTC 版)
分離用超遠心機では、幅広い実験用途に適したさまざまな種類のローターが利用可能である。ほとんどのローターは試料を含むチューブを保持するようにデザインされている。スイングローター(swinging bucket rotor)ではチューブはヒンジに引っ掛けられ、ローターが加速するとチューブは水平方向へ向く。固定角ローター(fixed angle rotor)ではチューブは決められた角度に保持される。ゾーナルローター(zonal rotor)はチューブではなく1つの中心部のくぼみに大量の試料を保持するようにデザインされている。ゾーナルローターの一部では、ローターの高速回転中に試料の注入と回収を行うことができる。 生物学において、分離用ローターは細胞小器官(ミトコンドリア、ミクロソーム(英語版)、リボソームなど)やウイルスなどの微細粒子を含む画分のペレッティングに利用される。また分離用ローターは密度勾配遠心分離にも利用され、この場合チューブは上部から底部へ向かって濃度が増加する濃厚な物質を含む溶液で満たされている。細胞小器官の分離には一般的にはスクロースの濃度勾配が、核酸の分離にはセシウム塩の濃度勾配が利用される。十分な高速回転が行われた後ローターは滑らかに停止し、勾配はゆっくりと吸い出されて分離された要素が単離される。
※この「分離用超遠心機」の解説は、「超遠心機」の解説の一部です。
「分離用超遠心機」を含む「超遠心機」の記事については、「超遠心機」の概要を参照ください。
- 分離用超遠心機のページへのリンク