准胝観音とは?

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じゅんでいかんのん -くわんおん 【准胝観音】

七観音,また真言系の六観音の一。三目一八(び)の像が一般的密教では七俱胝仏母(しちぐていぶつも)

准胝観音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/16 07:00 UTC 版)

准胝観音(じゅんていかんのん)、梵名チュンディー(चुन्दी [cundii]:清浄の意味)またはチュンダー([Cunda])は、仏教における信仰対象である菩薩の一尊。准胝とはその音訳であり、準胝観音または準提観音とも書く。「六観音」(七観音)の一尊にも数えられる。インドでは観音は男性名詞のため男尊とされるが、准胝は女性名詞なので、「六観音」の中では唯一の女尊となる。 元々はヒンドゥー教の女神ドゥルガーが仏教に観音(如来)として取り入れられた姿であるとされるが、異説もあり[1]、仏教の経典や儀軌に説かれる准胝観音のイメージがヒンドゥー教のドゥルガーと多くの隔たりがあるため、『チュンダー陀羅尼』より生じたという説[2][3]も有力である。




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  1. ^ 『密教の神々』(平河出版社)、「第六節 女神としての観音」、pp.109-122。
  2. ^ 『不空羂索・准胝観音』(至文堂)、p68。
  3. ^ 清水乞 著、第五章 密教の美術「マーリーチーとチュンダー」、『アジア仏教史・インド編Ⅳ 密教』(佼成出版社)、pp.240-242。
  4. ^ 『諾那呼圖克圖応化史略』(ノルラ・トゥルク・リンポチェ略伝;圓覚精舎 蔵版)、p。
  5. ^ 経名『仏説持明瑜伽大教尊那菩薩大明成就儀軌経』四巻(大正蔵:第二十巻・密教部、pp.677-691)における「瑜伽大教」とは、『仏説瑜伽大教王経』(大正蔵:第十八巻、№890)のことを指している。経典としては、『仏説七倶胝仏母准提大明陀羅尼経』(大正蔵:第二十巻、№1075)や、『七倶胝仏母所説准提陀羅尼経』(大正蔵:第二十巻、№1076)の内容を大幅に増大させたものとなっているが、後期密教の先駆的内容も見られる。
  6. ^ 『中院三十三尊』(高野山大学 編纂)、第二帖「准胝」&「表白集」P15。
  7. ^ セイロン島タイインドネシアを始めとする東南アジア一帯に伝播した後期大乗仏教としての密教を指す。これらの諸国は、今日では上座部仏教イスラム教などで知られるが、もともとは大乗仏教と、その後に伝播した密教やヒンドゥー教の文化圏でもあった。セイロン島は「ランカー・スートラ」の名を持つ『楞伽経』の発生地であり、この「ランカー」とは「スリランカ」の古語とされ、いわゆる梵語の「シリー」(吉祥)に「ランカー」をたして、「シリー・ランカー」(吉祥なランカー島)が「スリランカ」の語源と見られる。また、密教においては真言八祖の龍智菩薩が移り住み、不空三蔵がそこを訪ねたことでも知られている。インドネシアには、さまざまな密教遺跡やヒンドゥー教遺跡が残るが、東端のバリ島は、唯一のヒンドゥー教圏として有名であり、現在は土着の文化となった「ケチャ」は有力な観光資源となっている。
  8. ^ 『インドネシアの遺跡と美術』(日本放送出版協会)、pp74-153。
  9. ^ 『高野山』(総本山 金剛峯寺)、p15。
  10. ^ 入唐八家(にっとうはっか)とは、平安時代に中国のに渡り中国仏教や密教をはじめ、当時の様々な文化を日本に伝えた僧侶の八人を指して言う。年代順に名前を挙げると最澄空海常暁円行円仁恵運円珍宗叡の八人となる。
  11. ^ 『大正蔵』、第二十巻・密教部、№1075。
  12. ^ 『大正蔵』、第二十巻・密教部、№1076。
  13. ^ 『卍續藏經』、第三冊「印度撰述 密教軌部」、p762。
  14. ^ 『大正蔵』、第二十巻・密教部、№1077。
  15. ^ 『大正蔵』、第二十巻・密教部、№1078。『卍續藏經』、第三冊「印度撰述 密教軌部」、p403。
  16. ^ 『大正蔵』、第二十巻・密教部、№1079。『卍續藏經』、第三冊「印度撰述 密教軌部」、p404。
  17. ^ 『大師御請来 梵字真言集』(国書刊行会)、pp.397-401。
  18. ^ 『大師御請来 梵字真言集』(国書刊行会)、pp.483-490。
  19. ^ 歴史上の空海が伝えた主要な法は、全て当時のサンスクリット文字(梵字)で書かれており、そのことは空海自身が著書『三学録』の中で、「漢訳によらず、梵本によるように」と述べられていることでも分かる。いわゆる「次第書」の基となる儀軌類と呼べるものは全部で9本あって、資料となる『七倶胝儀軌』はその中の貴重な1本である。
  20. ^ 呂建福 著 『中国密教史』(三)、p167。
  21. ^ 呂建福 著 『中国密教史』(三)、「准胝行法」pp.168-173。
  22. ^ 今日、中国密教の唐密(タンミィ)で、「准胝法」と呼ばれる修法の基本テキストとされている。そして、明代福州市にあった寺院「準提堂」からの伝が、江戸時代の日本と、現在の台湾香港に伝わっている。内容は東密(とうみつ:真言密教)とチベット密教に通じる修法と観想法を含みインド密教を源流とするが、直接の指導を受けなければ、ただの「礼賛法」と誤解するものとなっている。事実、台湾で一般に広く知られているものは中国密教と呼ぶが、実際には中国禅の「礼賛法」である。
  23. ^ この書は、日本の豪潮律師が残した『準提懺摩法 全』の原典に当る。現在の中国禅では、原題のまま『懺悔文』(さんげもん)として唱えられているが、中国密教の唐密では『準提大曼荼羅法』と呼ばれ、同じ文章のテキストではあるが口伝に基づき「布薩会次第」、「葬儀次第」、「大曼荼羅供養次第」として内容を差し替えて別々の法要に用いられる。そのため、文献上で調べてもその違いや実際の修法は全く分からないようになっている。文字によらない教えともされる密教の特徴はこのようなところにも顕れている。
  24. ^ 『卍續藏經』、第一二九冊「中国撰述 礼懺部」、p79。
  25. ^ 呂建福 著 『中国密教史』(三)、p168。
  26. ^ 『卍續藏經』、第一二九冊「中国撰述 礼懺部」、p62。
  27. ^ 『卍續藏經』、第一〇四冊「中国撰述 真言宗著述部」、p775。
  28. ^ この書は、唐・不空三藏 訳 『七倶胝仏母所説准提陀羅尼経』を底本として、元代以来の准提経諸本を集約したもの。
  29. ^ 『卍續藏經』、第一〇四冊「中国撰述 真言宗著述部」、p731。
  30. ^ 『卍續藏經』、第三十七冊「中国撰述 大小乘釋經部」、p429。
  31. ^ 豪潮律師は本来、密教の導師(グル)であるから阿闍梨と呼ぶのがふさわしいが、戒律復興運動に尽力して日本の天台宗に史上初めて体系的な戒律であるところの正式な出家戒と小乗戒、大乗戒と密教の三昧耶戒をもたらし、自身も戒律を守ることが堅固であったために律師の称号で呼ばれる。その大法伝授の際の故事を空海になぞらえ、密号(みつごう)を「遍照金剛」という。また、能書家でもあり、出身地の九州では北島雪山秋山玉山らと共に「肥後三筆」に数えられて、その作品も数多く遺されている。
  32. ^ 明代の資料である『大准提菩提焚修悉地懺悔玄文』(夏道人 著)に、内容が完全に一致する。この『准提懺摩法 全』は、江戸の本郷にあった喜福寺の蔵版になる准胝観音(準提仏母)を主尊とする「懺法」(さんぽう)の次第書。歴史上の釈尊以来の教えとして、小乗・大乗・金剛乗に共通して仏教徒となるためには戒律を授かる必要がある。そして、仏教徒になってからは、その戒律を維持するために毎月2回、普通は新月と満月の日か、旧暦の1日と15日に集まって懺悔(さんげ)のための「布薩会」(ふさつえ)という法要を行う。とりわけ准胝観音は、密教に不可欠な三昧耶戒を取り戻すための重要な尊挌とされている。
  33. ^ 豪潮の口伝に基づき、弟子の享照が記述したもの。明代の資料である『准提簡易持誦法』を、四度立てに解釈し直した内容となっている。
  34. ^ 「准胝法」に必要な印信類を記したもの。特に、日本には無いといわれていた「六字観音」の真言の伝授があり、その真言が梵字で書かれている。
  35. ^ 『豪潮律師遺墨』(日貿出版社)、p1。
  36. ^ 明代における福州市にあった寺院「準提堂」における伝授の内容の一部を伝えるもの。明代の施尭挺の著作とは内容が異なる。
  37. ^ 大訥愚禅(だいとつぐぜん:1786-1859)は江戸時代の曹洞宗。天明6年(1786年)に越後国魚沼で生まれ、嘉永5年(1852年)に徳川十二代将軍・家慶の勅命により、徳川家の菩提寺の一つでもあった江戸・駒込吉祥寺の住職として任命され、禅学の学問所である「栴檀林」の総長となる。江戸時代には愚禅と名がつく禅の名僧が多くいるが、その中で代表の一人とされる。駒込吉祥寺の住職となってからは、吉祥愚禅とも名乗る。
  38. ^ この書は、中国の資料である『准提心要』(明・施尭挺)と同じもの。
  39. ^ お経の原文は「仏言此呪印能滅十悪五逆一切重罪。成就一切白法。具戒清潔速得清浄。若在家人。従不断酒肉妻子。倶依我法無不成就。」となる。なお、現在の中国禅においては、このお経の一文の「若在家人。従不断酒肉妻子」を乱脱であるとして、厳しい具足戒を保ち、侶の修行者でなければ成仏や成就はしないとする説があるが、『仏説持明蔵腧伽大教尊那菩薩大明成就儀軌経』(大正蔵№1169)にも類似の記述が見られるので、乱脱とは考え難い。むしろ、准胝観音が発生した当初からの「准胝法」の特色とも捉えられ得るので、准胝観音は後の「後期密教」の思想を生む先駆的な尊格の一つとして考えることができる。
  40. ^ 『七科三十七道品』は、『三十七菩提分法』ともいう。
  41. ^ 『現代語訳付き「七観音」経典集』(大法輪閣)、「准提陀羅尼經」、p156、p162。
  42. ^ お経の原文には「尊那功徳聚、寂静心常持、一切諸大難、無能侵是人、天上及世間、受福如仏等、従茲如意宝、定獲無等等」となっている。
  43. ^ 『大准提菩薩焚修悉地懺悔玄文』(明・夏道人)には、「稽首功徳聚、寂静心常誦、一切諸大難、無能侵是人、天上及人間、受福如仏等、遇此如意珠、必得無等等」とあり、この偈頌の後に「准提真言」の短呪か中呪、「六字明呪」(四臂観音呪)、「一字文殊呪」、「一字金輪呪」等の真言が続く。
  44. ^ 『白宝口抄』(びゃくほうくしょう)は『白宝口鈔』とも表記し、13世紀に東寺観智院・亮禅と宝蓮華寺・亮尊による共著として、真言密教における事相と図像の百科事典であり、167巻からなる。亮禅は西院流の能禅より伝法潅頂を受け、後に東寺の二長者(にのちょうじゃ)をつとめ、1279年には東寺の菩提院の開山となった人物。
  45. ^ 中国密教では、この准胝観音の三昧を指して、別名を『光明定』(こうみょうじょう:guang ming ding;コァンミンティン)とも言う。また、この『光明定』はチベット密教のニンマ派の大成就法であるゾクチェンとも関連し、後に10世紀になると別系統の密教であるカギュ派『ナーローパの六法』にみる「ウーセル」(光明)へと発展する。普方金剛大阿闍梨口述「準提法講解」より。
  46. ^ 「三部三昧耶」は、日本密教の入門的な修法となる「護身法」の別名で民間の経本にも取り上げられている。そのルーツは空海が師である恵果の教えを記した実践書の『十八契印』(じゅうはちげいいん)の中にある「行者荘厳法」の中心となるもので、ここで言う三部とは、空海がに渡るための啓示を得た『大日経』に基づくとする『胎蔵界曼荼羅』の中央に描かれる仏部・金剛部・蓮華部の三つを指し、『胎蔵界曼荼羅』は師の恵果の編纂になるものであるから、『十八契印』は同じく恵果の直伝であることが理解できる。現在、日本では口伝を伝えておらず『十八契印』は作法の目録と見られているが、中国密教の唐密では「三部三昧耶」を即身成仏の核心とする。
  47. ^ 十八不共法(じゅうはちふぐうほう)には、説一切有部の『大毘婆沙論』巻17に説かれるものと、初期の大乗経典の多くに説かれるものと、龍樹菩薩の『大智度論』巻26に説かれるものが知られている。その項目には多少の異同があり、説一切有部や初期大乗においては、仏陀の覚りを表す重要な教えと考えられていた。「准胝法」は龍樹菩薩の直伝とされるので、ここでは『大智度論』に説く十八不共法の内容を意味している。
  48. ^ 『尊那佛母所説陀羅尼修持法要』(正見學會)、p6。
  49. ^ 日本の図像や仏像ではこれを「念珠」としている。
  50. ^ 国訳としては、「新国訳大蔵経インド撰述部・密教部第7巻『無畏三蔵禅要』」(大蔵出版社、1996年刊)と、「国訳一切経・密教部第3巻『無畏三蔵禅要』」(大東出版社)等がある。
  51. ^ 「口語で読む禅の古典『無門関を読む』」(PHP研究所)、pp.54-58。
  52. ^ 三式」(さんしき)は太乙神数・奇門遁甲六壬神課の三つからなる古代中国の運命学の一つで、からの時代に完成されたといわれていて、日本にも飛鳥時代から平安時代に渡来したとされている。袁了凡が「三式」を学んだかどうかの史実は確認しがたいが、現在の中国の資料にそのような伝説が載せられている。これは「三式」の中の奇門遁甲が中国では軍学や兵術にも数えられ、袁了凡が倭寇を平定し、朝鮮出兵を退けたという史実に対して占術と結びつけて仮託されたものとも考えられる。また、袁了凡が学んだのは「三式」ではなく、『陰騭録』には「の大家である邵康節先生の秘伝を受け継いだ孔先生」とあるところから、『皇極神数』(こうきょくしんすう;『邵子皇極経世』のこと)や、『鉄版神数』(てっぱんしんすう)であるとする説もある。『鉄板神数』は清代に中国で流行した易学であるが、日本ではまだあまり知られていない。その『鉄板神数』のなかでも、「中州派」と呼ばれる古流派は邵康節の伝とされ、江戸時代の日本には『前定易数』の別名で明代の版本が中国密教と共に伝わっていた。
  53. ^ 「東洋庶民道徳 - 『陰騭録の研究』 - 」(明徳出版社)、p19。
  54. ^ ここでは数え年なので、52才とする見方もある。
  55. ^ 『尊那佛母所説陀羅尼修持法』(正見學會)、p6。
  56. ^ 潅頂というと、日本では高野山で毎年5月に行われる『胎蔵界結縁潅頂』と、10月に行われる『金剛界結縁潅頂』が有名であるが、これらは『大日経』や『金剛頂経』などの「経典に基づく潅頂」であって、チベット密教では「タントラの潅頂」と呼ばれるものを指し、五大タントラにも数えられる『カーラチャクラの潅頂』(時輪タントラ)が世界的に知られている。ここでいう個別の潅頂とはこれらとは違い、チベット密教では「ジェナン」と言い「許可潅頂」と和訳される。この潅頂は正式な阿闍梨の資格をもつ者であれば、基本的に誰でも行うことができ、チベット密教や中国密教では日常的に行われている「諸尊の潅頂」である。日本では、空海の直筆の資料である『請来上表』の中には、「許可潅頂」と「授明潅頂」を授かること再三にわたると述べていて、一般には知られていないがそれほど特殊な潅頂ではない。現在の日本で知られる「諸尊の潅頂」としては、信貴山真言宗朝護孫子寺で12年に一度の寅年に行われる「毘沙門天王結縁潅頂」、天台宗では黄不動で知られる園城寺(三井寺)で行われる「不動明王結縁潅頂」、真言宗では智山派成田山新勝寺で行われる「不動明王結縁潅頂」、等がある。なお、愛染明王に関係するものとしては、高野山真言宗金剛峯寺で行われる『瑜祇潅頂』がある。
  57. ^ 『幻化網タントラにおける潅頂』(印度學佛教學研究)、pp.859-861。
  58. ^ いわゆる密教の実習の際には、まず先に「ワン」(潅頂)と「ルン」(口誦・口伝)と「ティ」(講義・伝授)を必要とする。潅頂を最初とするのは、小乗戒・大乗戒三昧耶戒の三つの戒律を儀式の中で授かるからである。小乗戒を授からなければ正式な「仏教徒」ではないし、大乗戒を授からなければ菩提心を備えた「菩薩」ではない。さらには、三昧耶戒を授からなければ密教を修する資格を得た「瑜伽行者」とはいえない。これら三乗の戒を得ていなければ、仏教の瞑想にはならず、かりに密教のテキストに基づいたとしてもそれは外道の聖者の瞑想であり、結果的に外道の覚りを得るばかりで、六道輪廻の苦しみを離れることはない。それゆえ、潅頂の中で授かる戒律は、その教えの道を方向づける羅針盤の役目をする。また、その上で「潅頂の種類」と、その儀式の各所作の意味と、『三昧耶戒』の口伝について師僧から教えを受けて知っておく必要がある。なお、潅頂を授からずに真言を唱えることは、潅頂や戒律とは別に密教における真理を表す口密としての「真言」そのものの意義を失い、加えて『三昧耶戒』における「十四根本堕」の四重禁戒の項目「未熟な者には密教の教えを説いてはならない」に違反し、密教における「波羅夷罪」が適用される。ここで、一般の人の場合になぜ授かっててもいない戒律の適用を受けるかというと、三昧耶戒はあらゆる存在を通じて真理をその身に体現することを象徴するからである。それゆえ解説を加えると、この戒律の例として、正式な潅頂を授かっていない人に対しては、諸仏や諸尊の真言(マントラ)を教えてはいけないし、唱えさせてもいけないし、唱えることを許してもいけない。それを教えたり許可した際にはこの戒律に違反することになり、「波羅夷罪」が適用されて、たとえば僧侶の場合には「僧籍に加え全ての資格を失うと共に、2年間一切の宗教活動を禁止し、二度と僧侶となることは出来ない」ことになってしまう。
  59. ^ 『講説 理趣経』(四季社)、pp.220-226。『新出・空海書 請来上表』(墨美社)、p14、p42、pp.59-60。『皈依灌頂儀規』(總持寺出版社)、p10、p15。『中院流諸尊通用次第撮要』(親王院)、pp.4-7。『金剛乗殊勝心要宝蔵解説』(蓮華堂出版部)、pp75-79。『いのちつながる』(高野山真言宗総本山金剛峯寺)、pp.202-204。
  60. ^ 一行 著 『大日経疏』巻三(大正大蔵経39巻、p609)。「摩訶衍(マハヤーナ:大乗教。ここでは密教を含む)の中には、また真言を以って秘密の教えとする。未だ曼荼羅に入らざる者、即ち、潅頂を授かっていない者には、読誦せしめず。(中略)このゆえに、真言を修し学ぼうとする者は、先ず曼荼羅に入らしめて、潅頂を授けることを要するなり」。
  61. ^ 『ダライ・ラマの密教入門』(光文社)、pp48-53。『【図説】曼荼羅大全』(東洋書林)、pp.37-40。
  62. ^ 不空 訳 『蕤キ耶経』巻下(大正大蔵経18巻、p772)。「もし、愚人あって、曼荼羅に入らずして(潅頂を授かっていないのに)真言を唱えたならば、遍数を満ずるといえども、ついに成就せず。復た、(真言を唱えたために)邪見を起こしたならば、その人は命が尽きてから地獄に堕ちる。もし、人あって彼に真言の法を教えたならば、その人もまた、三昧耶戒に違反することとなり、命を終えた後に、叫喚地獄(raurava)に堕ちる」。
  63. ^ 『秘密三昧耶佛戒儀』(總持寺出版社)、p28。『外内密戒律金剛乗十四根本堕講義解』(總持寺出版社)、pp.9-10。『外内密戒律手冊』(總持寺出版社)、pp.41-44。『普通真言蔵』第二巻・付(東方出版社)、稲谷祐宣 著 「浄厳覚彦の『普通真言蔵』」、pp.50-52。『普通真言蔵』第二巻・付(東方出版社)、上田霊城 著 「浄厳和尚と真言陀羅尼」、pp.65-67。『中院流諸尊通用次第撮要』(親王院)、pp.261-272。『仏教タントリズムにおける言葉の問題』(日本密教学会)、pp.5-15。『金剛乗殊勝心要宝蔵解説』(蓮華堂出版部)、pp.51-53。『潅頂のための次第書』(蓮華堂出版部)、pp.9-13。『ダライ・ラマの密教入門』(光文社)、pp.137-141。
  64. ^ 江戸時代の「戒律復興運動」に功績があり、如法真言律を提唱し、生涯において三十数万人の僧俗に対して正しい戒律潅頂を授けた浄厳覚彦の『普通真言蔵』によると、真言について書かれた書物を売買してもいけないとして、真言の大切さと三昧耶戒の厳しさを説いている。
  65. ^ 『普通真言蔵』第一巻(東方出版社)、p1。
  66. ^ ここでいう「寶瓶」(ほうびょう)は、准胝観音の持物である「如意瓶」を指している。「如意瓶」は、「准胝法」において道場荘厳用の重要な法具でもあり、三昧耶形においては衆生を潤す方便を司る。。
  67. ^ 「金剛杵」(こんごうしょ)は「五鈷杵」(ごこしょ)とも呼ばれる。「准胝法」においては菩提心を意味し、五鈷杵の中心部分に覚りとしての種子(しゅじ:密教用語)である梵字の唵(オン)字や阿(ア)字、吽(フーム)字を現出するので、三昧耶形においては智慧を司る。
  68. ^ 准胝観音の種子である梵字を「ジュン」(cun)とするのは、台密・豪潮律師の『佛母準提供私記』と、中国密教の『七倶胝佛母所説準提陀羅尼經節要』の説による。
  69. ^ 『尊那佛母所説陀羅尼修持法要』(正見學會)、p40。
  70. ^ 『准胝修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、pp.107-111。
  71. ^ 『尊那佛母所説陀羅尼修持法要』(正見學會)、pp.31-37。
  72. ^ サキャ派には、一般的な諸尊法を集めた日課行法の『成就百法』と呼ばれる「一尊法」のテキスト集があり、その中の一冊。なお、サキャ派はチベット密教でも、ニンマ派に次いで古い流派なので、『成就百法』以外にも多数の諸尊法集のテキスト群や「準提法」のテキストが伝えられている。
  73. ^ 『成就百法中準提佛母成就法』(中國藏密薩迦佛學研究會)を参照のこと。
  74. ^ 『寶源百法摘録准提佛母成就略軌』(台灣智慧輪佛學會)を参照のこと。
  75. ^ 『大幻化金剛成就儀軌』(蓮華堂出版部)を参照のこと。
  76. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p42。
  77. ^ 「五無間罪」は、「五逆罪」あるいは「五無間業」とも言う。地獄の最下層である、「無間地獄」に落ちる原因となる五つの罪業のことを指している。その五つの罪業とは、1:母を殺すこと、2:父を殺すこと、3:阿羅漢(アラカン)を殺すこと、4:暴力などの行為によって仏陀の身体より血を流させること、5:団(サンガ)の和合を破壊することの五つである。現代では、親族殺人に関する特別な刑罰がないので意識され難いが、仏教では身近な人に対する暴力や殺人は否定されるべものとして強く戒められ、更には信仰の拠り所となる仏陀団への罪は、重罪として挙げられている。顕教では、阿弥陀仏でさえ「五逆罪」を犯した者だけは浄土に迎え入れないとするが、密教では、准胝観音が心よりその罪を懺悔(さんげ)する者があれば、その全ての罪業を滅して成仏を約束する。
  78. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p67。
  79. ^ ここでは、「過去における無限の生まれ変わりの生」の意味となる。
  80. ^ 十善戒に違反する悪しき行いの数々を指している。
  81. ^ ここでは、顕教の場合には1:姦淫、2:殺人、3:窃盗、4:大妄語(詐欺・覚りを偽る・団の和合を破壊する)の四つを指す。密教の場合は、密教に不可欠な戒律である『三昧耶戒』のうち、中期密教を代表する戒律の「十四根本堕」に説かれる中心となる四つの戒律である、四重禁戒に違反する悪しき行いの数々を指している。
  82. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、pp.68-69。
  83. ^ 世俗における願いが成就し、出家あるいは仏教的な願いが成就すること。
  84. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p49。
  85. ^ ここでの仏種は、三昧耶戒にも説かれる「プトガラ」(pudgala)のことをいう。
  86. ^ 『准胝鏡』は丸い鏡で、その表面は鏡面の周りに梵字の真言を配置し、鏡の裏面は漢字の真言に加えて、准胝観音の図像の後ろ姿等を描き、取り外しのできる台座は、ナンダ竜王とウパナンダ竜王が鏡を支える姿形をとるのが伝統的なスタイルとなっている法具である。
  87. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、pp.16-17に鏡のイラストが載せられている。
  88. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p44。
  89. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p69。
  90. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p68。
  91. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p43。
  92. ^ 准胝観音の寶瓶は、古代バラモン教におけるドゥルガー神の「水瓶の祭り」に起因する。現在のヒンドゥー教のドゥルガー神は恐ろしい怒りの神とされるが、古代のドゥルガー神は地蔵菩薩と同じく実りをもたらす「地母神」に由来し、水瓶は種籾を育てるための「五穀豊穣」の祈りにとって神器とされた。それゆえ、准胝観音の寶瓶は、智慧の水によって「仏種」を育てて覚りをもたらし、一切衆生を利益する方便の象徴でもある。
  93. ^ 『密教の神々』(平河出版社)、「観音の持ち物」、pp.97-103。
  94. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、pp.43-44。
  95. ^ 『准提修法 顕密圓通成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、p69。
  96. ^ 『穢跡金剛法本彙編』(大智度出版社)、pp.99-108。
  97. ^ この『金剛童子随心呪』は、当初は興福寺に伝わっていたが、後に加賀の前田家に秘蔵され、伝承では空海の筆になるとされていたが、調査により空海以前の唐僧の手になることが判明して、空海の「録外の請来品」とされている。書道や美術関係では有名な資料であり、昭和26年には前田育徳会から「尊経閣叢刊」として忠実な複製が発行された。題名に金剛童子とあるために、バジラクマラ(Vadjra kumara)や蘇婆呼童子(ソバコ:Subahu)等の金剛童子の諸尊と間違われるが、実際の内容は『穢跡金剛』の儀軌次第である。この『金剛童子随心呪』は、金剛智三蔵の訳経を底本としており、文中に鳩摩羅什(羅什法師)の穢跡金剛法の事歴について触れているので、不空三蔵以降に中国で書かれたことが分かり、師である恵果阿闍梨あるいは、その弟子の手になるものとも考えられ得る。
  98. ^ 「烏枢沙摩明王」は、別名の「ウチュシュマ:Ucchusma」の音訳。
  99. ^ 『曼荼羅講伝仏抄録』(同朋メディアプラン)、pp.166-167。
  100. ^ 「訶梨智母将主菩薩」は中国密教での呼び名で、梵語で「ハーリーティ」(Hariti)といい、ヒンドゥー教では大魔女であり夜叉女神の一人とされる。もとは人間の子供を食べる鬼神であったが、仏教に帰依してからは心を改め、日本では鬼子母神と呼ばれ、母親の安産と子供の守護者となった。
  101. ^ 『大黒天変相』(法蔵館)、「Ⅴ. 不浄の神・炎の神」、pp.219-260。
  102. ^ 『穢跡金剛法本彙編』(大智度出版社)、pp.109-111。
  103. ^ 「烏枢沙摩明王」には、十二天の「火天」(アグニ)を出自とするという説があるが、これは『穢跡金剛』の別名である「火頭金剛」に由来する。「火頭金剛」は文字通り、頭の毛が逆立って常に燃え上がり、全身が赤い色の姿をしていてこの世の不浄を焼き払うとするので、明らかに「火天」からの出自を窺わせるものである。なお、「金剛夜叉明王」の梵名をヴァジュラヤクシャ(vajra-yksa)とするのは、漢名から梵語(サンスクリット)へと還元された梵名である。
  104. ^ 『大師御請来 梵字真言集』、pp.539-550。
  105. ^ 『釈氏洗浄法』には、その由来と儀軌やお手洗いの作法(侶の四威儀)等が版刻して述べられている。古書により多数の書き込みがあり、図面に加えて修法の壇や、旅先で生水にあたらないようにする薬法や入浴の作法が加えられている。原文は漢文で、現在のところ穢跡金剛法の伝は中国大陸や台湾と香港にも伝わってはいるが、共に明代からの伝で清代以降の版本を基としているので、日本に伝わった唐代空海の請来による梵本の儀軌と『金剛童子随心呪』、徹通和尚の請来による宋代の『釈氏洗浄法』の三者を伝授に関する最古の資料とすることができる。
  106. ^ ここでいう「大曼荼羅」とは、四種曼荼羅の「大曼荼羅」・「三昧耶曼荼羅」・「法曼荼羅」・「羯摩曼荼羅」のうちの一つを指す。
  107. ^ 『尊那佛母所説陀羅尼修持法要』(正見學會)、p42。
  108. ^ 「心真言」(しんしんごん)は「心中真言」(しんちゅうしんごん)とも言うが、通常は、その尊格の最も短い真言を指す場合が多い。
  109. ^ 『尊那佛母諸説陀羅尼修持法要』(正見學會)所収、pp29-55。
  110. ^ 『七倶胝仏母所説準提陀羅尼経節要和訳』(蓮華堂出版部)を参照のこと。
  111. ^ 「字輪」(じりん)は、「呪輪」(じゅりん:咒輪)とも言う。いわゆる真言を配置した輪(わ)のことを指す。
  112. ^ 伊迦惹托の「イケイジャット」は中国密教の呼称。梵名は「エカジャティ」または「エーカジャターラークシャーヤャ」といい、日本では「一髻羅刹」(いちけいらせつ)と訳される。チベット密教のニンマ派では、「ガクスンマ」とも呼ばれ、憤怒相の十一面観音の明妃で、女尊の護法尊の筆頭とされている。なお、『仏説持明蔵腧伽大教尊那菩薩大明成就儀軌経』(大正蔵:第二十巻・密教部、№1169)には、一面四臂と一面六臂の二種類の尊様を説く。
  113. ^ 縛羅曩契の「プラナキ」は中国密教の呼称。日本では「バザラノウケイ」と読み、「バジラウンカラ」または「金剛ウンカラ」と呼ばれる尊挌に当る。また、『仏説持明蔵腧伽大教尊那菩薩大明成就儀軌経』には、「縛羅嚢契明王」や「金剛嚢契」とも訳されている。同経の第四巻(大正蔵:第二十巻・密教部、№1169、p691。)には、一面四臂で身体は明白色の尊様を説き、右手の一手に剣、第二手に鉞斧、左手の第一手に羂索、第二手に蓮華を持つとある。この尊格は、日本の胎蔵界曼荼羅の持明院に「勝三世明王」の別名でも登場するが、「降三世明王」と同名異体とする説と、同名同体とする説との二説があり、未だ解明されていない。
  114. ^ 『両界曼荼羅 元禄本』(東京美術)、pp59-61。
  115. ^ 『准提修法 顕密圓成佛心要』(老古文化事業股份有限公司)、pp.1-41。
  116. ^ 無能勝明妃(アパラージター:Aparajita)は、無能勝明王の明妃であり、日本では無能勝妃あるいは無能勝明王妃とも表記される。両尊は胎蔵界曼荼羅において釈迦如来の左右に描かれていて、無能勝明王は釈迦如来が「降魔成道」を行った際の禅定を擬人化したもので、釈迦如来の化身とする説と、地蔵菩薩の化身であるという二説がある。インドにおいては釈迦如来は男尊であり、地蔵菩薩は女尊なので、無能勝明王が釈迦如来の化身で、無能勝明妃が地蔵菩薩の化身とも考えられる。
  117. ^ 明蛇使者菩薩を、ここでは准胝観音の眷属である「八大竜王」を統括するので「八大竜王女」と訳す。この尊挌をチベット密教では龍女(ナーギニー)と呼ぶが、実際は水天の明妃である水天妃(ヴァルナニー:varunani)を指し、日本密教では胎蔵界曼荼羅の西院に登場する。なお、「深沙大将」または、「水天」であるとする説もある。
  118. ^ 大黒天(マハカラ)を筆頭とする諸天神。また、中国密教では、これに伽藍神としての韋駄天と世護法(関帝)を加えることが多い。
  119. ^ 灌頂用の立体曼荼羅は日本密教では全く馴染みがないが、中国密教やチベット密教において用いられる。小さいものは50センチ四方の立体的な大きさから、大きいものは3メートル四方の立体的なものまである。
  120. ^ 『インドネシアの密教』(法藏館)、pp53-150。
  121. ^ 説法印には2種類ある。日本式の尊像は両手を開いた、如来もしくは菩薩形の説法印、中国式の尊像は両手の指を組んだ「准胝根本印」とも呼ばれる説法印を結ぶ。
  122. ^ 京都にある仁和寺ではありませんので、ご注意ください。







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