光崩壊
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光崩壊 (英: Photodisintegration) とは、非常に高いエネルギーのガンマ線が原子核に作用することによって、原子が崩壊する過程のこと。光壊変や光分解ともよばれる。原子核から陽子が叩き出されることによって起こる。
- ^ James Chadwick and Maurice Goldhaber, "A nuclear 'photo-effect': disintegration of the diplon by rays", Nature,134, 237-38 (1934).
- ^ Derek Livesy,Atomic and Nuclear Physics, Blaisdell Publishing Company, Waltham, Mass. 1996, p. 347
- ^ C. Nair, et al; Photodisintegration studies on p-nuclei: the case of Mo and Sm isotopes; 2008 J. Phys. G: Nucl. Part. Phys. 35 014036 (6pp) doi: 10.1088/0954-3899/35/1/014036
光崩壊
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質量が太陽の250倍よりも大きい恒星の場合には、通常の重力崩壊による超新星や対不安定型超新星とも異なる光崩壊と呼ばれるプロセスを経て、中心核がブラックホールとして残存すると考えられている。 質量が太陽の250倍から300倍までの恒星の場合、中心核の鉄原子が完全な光崩壊を引き起こしてヘリウム4に変化する可能性があり、原子が燃焼できる理論上最大の質量(130太陽質量前後)で爆発することから、超新星爆発の規模は太陽の15倍程度の質量の恒星で発生するII型超新星の100倍以上、極超新星の10倍以上にも達すると推定されている。しかし、質量が太陽の300倍を超える恒星の場合には、中心核自体も130太陽質量を超えるため、ヘリウム4の中心核は燃焼できないまま重力崩壊の途上でブラックホールへと直接変化しはじめる。そのため、超新星爆発は起こらず、恒星は自身の中心部に生成されたブラックホールに飲み込まれるようにして消滅することになると推定されている。これらの進化の分岐は、恒星に含有される金属が非常に少ない種族IIIの恒星でのみ発生すると考えられている。 なお、種族Iや種族IIの恒星の場合は、質量が太陽の250倍を超えた段階から、中心核が重力崩壊の過程でブラックホールへと直接変化して超新星爆発を起こさずに消滅すると考えられている。
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