宇宙物理学と存在比
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 02:19 UTC 版)
恒星核崩壊を伴うII型超新星に於いては温度は2×109 〜 3×109 Kに達する。黒体放射により、s過程やr過程によって作られた種核種を崩壊させるに足る光子に満ちた環境が作られる。この環境下で、質量数100を越える陽子の多い核種のいくつかが光崩壊によって作られると考えられている。近年では、中性子星の融合(二重星の二つの中性子星の衝突)で同様の条件が作られ、それもp過程核種の生成の役割を担っていると考えられているが、観測では確かめられていない。p過程は他の過程で作られた重元素からいくつかの中性子やアルファ粒子を叩き出す短い時間の過程に過ぎないため、p過程核種の存在比はその周辺にある同位体や、同中性子体よりも少ない。p過程は、s過程・r過程・rp過程で作られる元素に加わることもあるが、その度合は非常に小さい。
※この「宇宙物理学と存在比」の解説は、「p過程」の解説の一部です。
「宇宙物理学と存在比」を含む「p過程」の記事については、「p過程」の概要を参照ください。
- 宇宙物理学と存在比のページへのリンク