伊勢街道の音頭とは? わかりやすく解説

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伊勢街道の音頭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 23:59 UTC 版)

伊勢音頭」の記事における「伊勢街道の音頭」の解説

古市の「伊勢音頭」とは別に、「伊勢音頭」と称するものが江戸時代現れている。西沢一鳳の『皇都午睡初編上の巻嘉永3年1850年成立)には「伊勢音頭」と題して以下の文を載せる。 「伊勢街道の音頭といへば、大坂出てから早玉造、笠を買なら深江名所奈良より青越、山田松坂、津、椋本窪田、関より大津迄、宿々駅々音頭あれども、委く諷ふ者なし。よふよふ伊勢豊久野銭よ(下略)、坂はてるてる鈴鹿は曇る(下略)など、人口唱へり」 また『守貞謾稿』の「伊勢音頭」の項には、古市の「伊勢音頭」について解説した後、「…又京坂等より参宮道中、唄ひ行く小唄あり、是をも音頭と云は是歟非歟、後考すべし」とあり、その「小唄」の例として「大坂はなれてはや玉造り、笠をかうなら深江名所、ヤアトコセーヨウイヤナ、アリャリャ、コリャリャ、ソリャナンデモセー」のほか、「伊勢へ七度熊野へ三度」と「伊勢は津でもつ」の唄をあげている。 この『皇都午睡初編と『守貞謾稿』に出てくる「伊勢街道の音頭」および「小唄」が、現在民謡として唄われる「伊勢音頭」の源流見られ民謡伊勢音頭」も同様の歌詞形式で「やとこせ、よいやな、あらら、これはいせ、よいとこいせ」という合の手が入る。「伊勢街道の音頭」がいつの頃より起こったものか明らかではないが、文政5年1822年)の序文がある俗謡集『浮れ草』には「国々田舎唄」のなかに、「勢州川崎節」と称して大坂放れて早玉造り 笠を買なら深江名所 ヤアトコセイヨイヤナ アリヤヽコノなんでもせへ」という唄を収めており、少なくともこれ以前世に知られ唄われていたのは確かである。 「伊勢街道の音頭」は、願人坊主大道芸であった住吉踊りにも使われている。『守貞謾稿』には住吉踊りについて、「其唱歌多く参宮道中にて京坂人の唄ふ所の章句用ひ…」とあり、また文政11年1828年11月江戸市村座上演され顔見世狂言重年花源氏顔鏡』(かわらぬはなげんじのかおみせ)のうちの一幕栄華の夢全盛遊」に住吉踊りがあり、 「高いなァ山から谷底見れば、ヤトセイヤトセイ、瓜や茄子の、やんれ花盛り。ヤアトコセ、ヨンヤナ、アリャリャ、コレワイナ、このなんでもせ」 という歌詞で踊る。これにより文政の頃までには、住吉踊りに「伊勢街道の音頭」を使うようになっていたことが知られる。現在も上演される天保2年1831年3月江戸中村座初演の『六歌仙容彩』の「喜撰」にも、以下の歌詞住吉踊りを踊るところがある。 「難波江片葉の芦結ぼれかかりアレハサ、コレハサ、とけてほぐれて逢ふ事もまつにかひあるヤンレ夏の雨ヤアとこせ、よいやな、ありゃりゃ、これわいな、このなんでもせ」 伊勢音頭は「荷物ならない伊勢土産」ともいわれ、各地伝わり作り替えられ普及した唄や踊りがある。主に祝い歌として祭などの伝統行事通過儀礼の席で唄われる事が多い。なお伊勢にはほかに「伊勢道中唄」という唄がある。「明日お立ちか、お名残惜しや…」と始まるもので、「伊勢街道の音頭」より歌詞長く形式異なる。歌詞の中の「六軒茶屋」とは松坂にあった茶屋のことである。

※この「伊勢街道の音頭」の解説は、「伊勢音頭」の解説の一部です。
「伊勢街道の音頭」を含む「伊勢音頭」の記事については、「伊勢音頭」の概要を参照ください。

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