人智学とは? わかりやすく解説

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じんちがく 【人智学】


人智学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/04 14:13 UTC 版)

人智学(じんちがく)とは、ギリシア語人間を意味する ἄνθρωποςanthropos, アントローポス)と、叡智あるいは知恵を意味する σοφίαsophia, ソピアー)の合成語、すなわち逐語的には「人間の叡智」を意味する ドイツ語: Anthroposophie の日本訳語である。ドイツ語音からアントロポゾフィーと音訳される[* 1]


注釈

  1. ^ 標準ドイツ語音では /antʁopozoˈfiː/ となる。
  2. ^ 神智学の転生論はアラン・カルデックが創始したフランスの心霊主義運動(スピリティスム)から借用したものである。そのカルデックの転生論も、社会的不平等を説明しようとした19世紀の社会主義者シャルル・フーリエピエール・ルルーなどからの借用であり、その社会主義者たちの理論も、18世紀後半に生まれたニコラ・ド・コンドルセジャック・テュルゴーなどの「進歩」の概念に拠っている[10]:181
  3. ^ 小杉英了の論じるところでは、シュタイナーの思想には聖霊の恩寵を受けた教会を通じてのみ人は霊的なものに与れるとする正統派のドグマが抑圧してきた、ヨーロッパの隠れた霊性を人々に開示しようとする面があった[13]
  4. ^ 高橋巖はこれを「霊学」、白幡節子・門田俊夫は「心霊科学」と翻訳している。
  5. ^ シュタイナー遺稿管理局から全集45番として『人智学』という著作が出版されているが、それは『神秘学概論』と人智学協会設立の間の時期である1910年にかれが書いたフラグメント(断片)である。そのことは明記された上で公表された。内容はシュタイナーが独自に考察した感覚論である。なお、正確には『神秘学概論』は1909年12月の時点ですでに脱稿しており、出版されたのが1910年1月である。また、シュタイナーが神智学協会に代わる新しい協会の名前に「人智学」を挙げたのは1912年8月のことである。
  6. ^ 大田俊寛は、シュタイナーは第五文化期の名称を明記していないが、その内実をゲルマン文化と考えていたのは明らかであるとしている。

出典

  1. ^ 高橋巖 『シュタイナー哲学入門 もう一つの近代思想史』 角川書店〈角川選書 213〉、1991年、129-132頁。
  2. ^ Joseph H. Peterson (2009). Arbatel - Concerning the Magic of the Ancients. Ibis Press. pp. 99-101.
  3. ^ a b コリン・ウィルソン 『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョン』 中村保男・中村正明訳、河出書房新社〈河出文庫〉、1994年(旧版 1986年)。
  4. ^ a b c d e f Tingay 2009
  5. ^ a b c 三島 2002
  6. ^ a b c 岡田 2002, pp. 121–122.
  7. ^ a b ワシントン, 白幡節子・門田俊夫訳 1999, p. 215.
  8. ^ a b c 衞藤吉則 1997.
  9. ^ 島薗 1996, pp. 36–42.
  10. ^ ルノワール 2010
  11. ^ a b c d e 大田 2013
  12. ^ 深澤 2012
  13. ^ 小杉 2000, pp. 58-86.
  14. ^ a b 大田 2013 位置NO.655/2698-674/2698
  15. ^ a b 吉永・松田 1996.
  16. ^ a b c d e f 大田 2013 位置NO.677/2698-697/2698
  17. ^ 大田 2013 位置NO.320/2698-386/2698
  18. ^ a b c d ワシントン, 白幡節子・門田俊夫訳 1999, pp. 226–227.
  19. ^ 大田 2013 位置NO.697/2698-705/2698
  20. ^ a b c ワシントン, 白幡節子・門田俊夫訳 1999, p. 202.
  21. ^ a b c d 大田 2013 位置NO.706/2698-725/2698
  22. ^ 大田 2013 位置NO.715/2698
  23. ^ a b 大田 2013 位置NO.743/2698
  24. ^ a b 大田 2013 位置NO.753/2698-771/2698
  25. ^ Goetheanum - History of the Anthroposophical Society - Overview(2015年11月20日閲覧)
  26. ^ a b c d e ワシントン, 白幡節子・門田俊夫訳 1999, pp. 511–512.
  27. ^ The Skeptic Encyclopedia of Pseudoscience. ABC-CLIO. (2002). pp. 31–. ISBN 9781576076538. https://books.google.com/books?id=Gr4snwg7iaEC&pg=PA33 
  28. ^ Ruse, Michael (2013-09-25). The Gaia Hypothesis: Science on a Pagan Planet. University of Chicago Press. pp. 128–. ISBN 9780226060392. https://books.google.com/books?id=EQRuAAAAQBAJ&pg=PA128 2018年1月12日閲覧。 


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