中体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:06 UTC 版)
Graemeloweus maidu の前体と後体の境目、雌(左)と雄(右)、腹側から。第3-4脚の基節・前体と中体の腹板・生殖口蓋・櫛状板など構造が映る 中体(mesosoma、前腹部 preabdomen)は丈夫で、後体の前8節を含む。ただし第1節は退化消失し、胚発生における一時期のみに見られる。残り7節は外見上で顕著に見られ、外骨格は腹背で背板と腹板に分かれる。ただし第2・3節の腹側は通常では発達した腹板を欠き、代わりにそれぞれ生殖口蓋(genital operculum)という生殖口を覆う板状構造と、櫛状板(ペクチン、pectine)という整髪用の櫛の造形に似た感覚器をもつ。なお、一部の基盤的な化石種では櫛状板の所に発達した腹板をもつ。生殖口蓋は前後で前体の腹板と櫛状板の基部に隣接し、これらの両側は長い第4脚の基節に囲まれる。次の5節のうち前4節の腹面は書肺(book lung)という呼吸器官が1節に1対ずつ配置され、気門を通じて外の空気と接触する。生殖口蓋、櫛状板と書肺(および書肺を被った腹板らしき外骨格)は、いずれも付属肢由来の器官であると考えられる。
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