ロシア軍被害実態の隠蔽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 11:54 UTC 版)
「2022年ロシアのウクライナ侵攻」の記事における「ロシア軍被害実態の隠蔽」の解説
3月18日、キエフ在住でクリミア選出の元ウクライナ国会議員のレファット・チェバロフの証言として、クリミア併合がロシアの合法的偽装により強引に行われたことや、クリミアの若い男性がロシア軍に集められ戦場へ送り込まれ、クリミアから主力の侵攻が行われていること、また、本来土葬のロシアで、クリミアがロシア軍兵の火葬場として使われていることなどが暴露された。クリミアには数年前に近代的な大きな火葬場が建設され、24時間体制で死んだ兵士の遺体が集められ火葬が行われており、これは抗議運動を恐れたロシアが遺体のままロシアへ持ち帰らせないための措置だと伝えられた。 3月20日付のイギリス紙『サンデー・テレグラフ(英語版)』は、ロシア軍が被害の実態を秘匿するため、ウクライナで戦死した自国軍兵の遺体を極秘裏にベラルーシに移送している可能性があると報じた。これに先立ち、アメリカ政府系放送局「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」は、ベラルーシ南東部に夜間、次々と到着するロシア軍車両だとする映像を公開。公開された映像の車両の窓は中が見えないよう白いカーテンで覆われ、側面に赤十字が記されていた。 ゼレンスキーは、3月27日発行のイギリス『エコノミスト』誌のインタビューの中で、プーチンは自国の兵士たちの遺体を放置していると非難。複数人のウクライナ軍兵によれば、一部の戦場ではロシア軍兵の遺体の腐敗臭がひどく、息もできないほどであるという。 今回の「特別軍事作戦」で死亡した兵士の家族には一時金として500万ルーブル、保険金、補償金として742万ルーブル、計1242万ルーブルが支払われることになっている。しかし実際には多くの兵士は「行方不明」として処理されている。 3月末にキエフ郊外からロシア軍が撤退した際、自国軍兵の遺体を多数放棄していったとウクライナ側は非難している。5月時点でウクライナ軍は約200人のロシア兵の遺体を収容しており、大半はキエフ近郊で見つかったという。収容活動を統括する軍幹部によれば、ロシア政府は遺体の返還に全く関心を示していないという。一定期間が過ぎても引き取られない場合、身元が判明した者はその名前で、不明の者は無名戦士としてウクライナ国内に埋葬されることになる。
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