ロシア語の一般名詞としてのソビエト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 03:22 UTC 版)
「ソビエト」の記事における「ロシア語の一般名詞としてのソビエト」の解説
ロシア語以外の言語では、「ソビエト」という単語は「ソ連」の同意語、ないし「ソ連型社会主義」や「共産主義」に類した語、もしくはそれらと密接な関係を持った語として扱われる場合が多い。しかし、ロシア語においては「ソビエト(совет)」という単語は、「忠告、助言」、「会議、協議、評議」、「協議会、評議会、理事会」などを意味する一般名詞であり、日常会話のなかでは(国家としての)「ソ連」や「共産主義」と特に関係のない文脈において用いられる場合が多い。 例えば、「会議、評議会」としての「совет」は、帝政時代から現在まで国内外の会議・議会等に用いられている。また、ソ連の各級立法・行政機関も「ソビエト」と呼ばれていた。現在のロシア連邦議会上院も「Совет Федерации」(サヴィェート・フェデラーツィイ、連邦会議)と表現される。同様に、帝政ロシアや現在のロシアを含む各国の国務院は「Государственный Совет」(ガスダールストヴェンヌィイ・サヴィェート)と呼ばれている。また、国際組織としては、国際連合安全保障理事会が「Совет Безопасности」、欧州連合理事会が「Совет Европейского Союза」、といった形で表現される。 また、この一般名詞「совет」から展開される語としては、「忠告者」、「顧問、参事」を意味する名詞「советник」(サヴィェートニク)や「совечик(女性形:совечица)」(サヴィェーチク:サヴィェーチッツァ)、「忠告する」を意味する動詞「советовать」(サヴィェータヴァチ)及び「посоветовать」(パサヴィェータヴァチ)、「助言を求める」を意味する動詞「советоваться」(サヴィェータヴァッツァ)及び「посоветоваться」(パサヴィェータヴァッツァ)、「会議、審議会」を意味する「совещание」(サヴィシシャーニイェ)、その形容詞の「совещательный」(サヴィシシャーチェリヌィイ)、「協議する」という動詞の「совещаться」(サヴィシシャーッツァ)などがある。 一方、(固有名詞から展開される形容詞)「ソ連の」「ソビエトの」は、「советский」(サヴィェーツキイ)と表現される。
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