ラルティーグ式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:58 UTC 版)
A字型の支柱の上と支柱の下の左右に合計3条のレールが設けられており、上のレールで車輌重量を支え下のレールで車体を安定させるという方式。アルジェリアなどでパーマー式懸垂式モノレールの建設に携わっていたシャルル・ラルティーグ (Charles Lartigue) が開発したもので、これは跨座式モノレールとしてはポピュラーな様式であり、アメリカ合衆国建国百年博覧会で披露されたリロイ・ストーン式モノレールなどの先例がある。 1888年3月1日にリストウェル・パリブニオン鉄道(アイルランド・ケリー県)の14.4kmの路線が開通した。動力は蒸気で、3軸式の機関車が用意された。この路線は1924年にアイルランド内戦によって破壊されたことから廃線となった。2002年は短い区間ではあるが観光目的で復元され、レプリカの車輌で運転されている。機関車は蒸気機関車風の外装になっているが、ディーゼル機関車である。 他に営業に使われた路線としてはフランスのフュール=パニシエル鉄道がある。開通は1893年で、延長は16.9キロだった。この路線は1902年に廃止された。蒸気機関車が一輌、保存されている。 最後のラルティーグ式モノレールは、1924年にアメリカ合衆国カリフォルニア州のマグネシウム鉱山・クリスタルヒルとトローナの鉄道駅との間を結んだものだったと考えられている。こちらでは内燃機関を積んだ機関車が使われた。これは20世紀後半になって開発された産業用モノレールに酷似していた。 ラルティーグ式の欠点は踏切が作れないことで、踏切を設けざるを得ない場所では必要に応じて線路を取り外すという方法が採用されていた。分岐器は最後まで開発されず、やや湾曲したレールを持つターンテーブルによって代替されていた。
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