マーリン1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/20 02:56 UTC 版)
「スペースXのロケットエンジン」の記事における「マーリン1」の解説
詳細は「マーリン (ロケットエンジン)」を参照 ファルコン9の1,2段目に使用されるマーリン1は液体酸素/RP-1ロケットエンジンで、2003年から2012年にかけて開発された。マーリン1Aとマーリン1Bはアブレーション冷却炭素繊維複合材ノズルを備える。マーリン1Aは推力340 kN (76,000 lbf) で2006年と2007年に打上げられた最初の2機のファルコン1のメインエンジンだった。マーリン1Bは幾分強力なターボポンプを備えた事により推力が増強したが、スペースXの方針によりマーリン1Cに移行したので打上げに用いられることはなかった。 マーリン1Cは再生冷却ノズルと燃焼室を備える。2007年に最初の全ミッションの燃焼試験を実施した。2008年8月にファルコン1の3回目の打ち上げで初飛行し(ただし打ち上げは失敗)、2008年9月の4回目の打ち上げで"民間開発による初の液体燃料ロケットによる低軌道到達"を成し遂げた。続けて2010年から2013年にかけて行われたファルコン9初期型の打ち上げでも、マーリン1Cが用いられた。 マーリン1Dは2011年から2012年にかけて開発され、同様に再生冷却ノズルと燃焼室を備え、真空中での推力は690 kN (155,000 lbf) で真空中での比推力は(Isp)of310 s、膨張比は16(以前のマーリン1Cでは14.5だった)で燃焼室圧力は9.7 MPa (1,410 psi) である。エンジンの新しい特徴は推力を100%から70%に調整出来る事である。エンジンの推力重量比は150:1でこれまでに開発されたエンジンで到達した最高値である。 マーリン1Dエンジンの初飛行は同様にファルコン9 v1.1の初飛行でもあった。 2013年9月29日に行われたファルコン9の6回目の打ち上げでは、カナダ宇宙庁のCASSIOPEを極軌道への投入に成功した。また、将来のロケットの再使用のための実験として、マーリン1Dを再点火して1段目を再突入させた。
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