マルチメディア指向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 09:21 UTC 版)
「PC-9801シリーズ」の記事における「マルチメディア指向」の解説
オーサリングを目的とするマルチメディア指向の実験機。Windows 3.0と独自のマルチメディア環境がプリインストールされていた。ハードウェアによる高機能のグラフィックとサウンドを搭載。マルチメディア部分の仕様は後のPC-9821とは異なっているが、一部の機能はMS-DOS用のドライバ・ソフト間で互換性が図られている。PC-9800シリーズのアーキテクチャに追加する形で機能拡張しており、ハード、ソフトとも互換性の問題は特にない。もっとも、丁寧に作り込み過ぎたためか、PC-H98シリーズに匹敵するほど価格が高く設定された結果、ビジネスとしては失敗に終わっており、その反省がPC-9821(初代)誕生の原動力となった[要出典]。 PC-98GS 1991年10月 CD-ROM搭載(非搭載モデルもあり)、フルカラー表示や複数プレーン表示、PCM + FMサウンド機能、DSPによる音響効果。オプションでビデオ処理機能。オーサリングソフトの秀逸なデモが添付されていた。 ちなみに本機のオプションであったビデオ処理機能をCバスボード化したPC-9801-72、標準搭載のDSPを含むサウンド機能を抜き出したPC-9801-73という2枚の拡張ボードにより、通常のPC-9800シリーズでもグラフィック以外は本機と同等のマルチメディア拡張が可能であったが、こちらも非常に高価であったため、普及せずに終わっている。 なお、この機種は開発開始から発売まで長い時間を要しており、そのため通常のPC-9801が排他動作のデュアルCPU搭載を止め、高速な80286以降のCPU搭載に単純化された後に発売されたにもかかわらず、80386SXだけでなくV30も搭載する古い仕様のままとなっている[要出典]。 本機種は翌年に発売された初代PC-9821のプロトタイプの役割を果たした。もっとも、両者の拡張機能には共通点が多いが、グラフィックもサウンドもハードウェア・ソフトウェア共に互換性は限定的である。開発開始から発売に至る時期は富士通が「FM TOWNS」でPC-9800のホビーユースシェアを脅かしていた時期であり、本機種はPC-98シリーズでCD-ROMを初めて標準搭載したことで、その対抗機という見方も当時はなされた。ただし、実際には同じ1991年にマイクロソフトがNEC含むPCメーカーと共同で策定・発表した MPC(Multimedia PC)規格 1.0 に呼応した市場テストモデルとしての性格が強い。
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