プレリュード、コラールとフーガ ロ短調とは? わかりやすく解説

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フランク:プレリュード、コラールとフーガ ロ短調

英語表記/番号出版情報
フランク:プレリュード、コラールとフーガ ロ短調Prelude,chorale et fugue M.21作曲年1884年  出版年1884年  初版出版地/出版社: Énoch  献呈先: マリー・ポワトヴァン

作品解説

2006年12月 執筆者: 横田 敬

1884年62歳のフランクは、約40年ぶりに本格的なピアノ曲作曲取り掛かった。「プレリュードアリア終曲と共に彼のピアノ曲双璧をなすプレリュード、コラールとフーガ」は、この年作曲されたものである

この作品作曲するにあたってフランクJ.S.バッハの「プレリュードとフーガ」を意識していたことは明らかである。また、メンデルスゾーンの《厳格な変奏曲》やリストの《バッハの名による幻想曲とフーガ》もその手本のひとつであったと言われる当初プレリュードとフーガ2部からなる形で構想されたが、その後フランクはこの両部分をコラールでつなぐことを思いつき、1曲のソナタのような3部からなる形に仕上げた。この3部分は切れ目なく演奏され各部分は「循環形式」によって緊密に結びついている

プレリュード」の構成はA-B-A’-B’-A”。A部分アルペッジョを伴う前奏曲主題ロ短調)が現れるが、コルトーはこれが「バッハBACH動機」に酷似していることを指摘している。B部分では、フーガ主題予告されている。

コラール」は、導入句-コラール旋律ハ短調)-挿入句コラール旋律ヘ短調)-挿入句コラール旋律ホ短調)-経過部という構造によるコラール・ファンタジアである。挿入句何度暗示されるフーガ主題は、経過部で初めてその全貌現しそのまま4声の「フーガ」に突入する

フーガ」の主題は、J.S.バッハカンタータ12番泣き嘆き憂い、慄き(Weinen, Klagen, Sorgen, Zagen)》BWV12半音階由来する。この「フーガ」は、主題の提示型どおりに進むが、その後の展開はかなり自由なのである。(この作品否定的な評価残しているサン=サーンスは、次のように述べている。「不体裁弾きにくい曲だ。この曲では、コラールコラールではなくフーガフーガではない。なぜなら、フーガはその提示が終わるや否や元気を喪い、際限のない脱線によって継続されるのだから」。)フーガ発展部では、「プレリュード」のA部分アルペッジョ上にコラール旋律現れ、さらにそこにフーガ主題重ねられる最後にコラール旋律長調高らかに歌い上げられる。


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