フェラーリの本拠地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/30 05:11 UTC 版)
大都市ミラノから南東に約150km、モデナ県の県都モデナからバスで30分ほどの距離にある。のどかな田園風景が広がる田舎町だが、高級スポーツカーメーカーのフェラーリの本拠地があることで世界的に知られる。単に「マラネッロ」と言えばフェラーリ本社を指す事も多く、町の名前はフェラーリの車名「575Mマラネッロ」にも使われている。フェラーリがF1で優勝する度に、マラネッロの教会では祝福の鐘が鳴らされる。 本社敷地内の見学は原則不可だが、正規販売店にてフェラーリ車を購入した者は、そのディーラー、もしくは「フェラーリ・コンシェルジュ」を通じて見学を申し込むことができる。同時に申し出ておけば、オーナーではない同伴者も見学できる。 F1マシンやエンジンの開発を行うモータースポーツ部門(スクーデリア・フェラーリ)の施設は、本社工場(ロードカー部門)とは別区画にある。これに隣接して、ロードカーおよびレーシングカーのテストを行う社有コース、ピスタ・ディ・フィオラーノがある。2009年以降は、テスト制限により最新F1マシンの走行は見られなくなったが、顧客に売られた中古F1マシンの走行会が行われている。地元住民や熱心なフェラーリファン(ティフォージ)がフェンスに張り付いている様子は、この街ならではの風景といえる。 街中の通りには創業者エンツォ・フェラーリを始め、「タツィオ・ヌヴォラーリ」「アルベルト・アスカーリ」「アルフレード・ディーノ・フェラーリ」「ロレンツォ・バンディーニ」「ジル・ヴィルヌーヴ」といったフェラーリゆかりの人物の名が付けられている。 街の各所には、本社詣でに訪れた一般観光客が立ち寄るスポットが点在する。工場の正門を隔てた道路向こう側にはオフィシャルグッズを扱う「フェラーリ・ストア」と、フェラーリ社内のケータリングにも利用するレストラン「リストランテ・カバリーノ」がある。店の奥にはエンツォ・フェラーリの特別室があり、本社へ来訪したゲストをもてなすために利用された。さらに数分歩くと、フェラーリ歴代のスポーツカーやレーシングカーを展示する「ガレリア・フェラーリ(フェラーリ美術館)」がある。ほかには、ミハエル・シューマッハらフェラーリF1ドライバー御用達の「リストランテ・モンターナ」も知られる。
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