ヒルベルト空間上での作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 14:44 UTC 版)
「シフト作用素」の記事における「ヒルベルト空間上での作用」の解説
両側列の上のシフト作用素は、l2(Z) 上のユニタリ作用素である。実数を変数とする関数上のシフト作用素は、L2(R) 上のユニタリ作用素である。 いずれの場合でも、(左)シフト作用素は次のようなフーリエ変換に関する交換関係を満たす: F T t = M t F . {\displaystyle {\mathcal {F}}T^{t}=M^{t}{\mathcal {F}}.} ここで Mt は exp(i t x) との乗算作用素である。したがって Tt のスペクトルは単位円板である。 l2(N) 上の片側シフト S は、第一座標において消失するすべてのベクトルとその値域が等しいようなある固有等長作用素である。そのような作用素 S は、次のような意味で T−1 の圧縮である: T − 1 y = S x for each x ∈ ℓ 2 ( N ) . {\displaystyle T^{-1}y=Sx{\text{ for each }}x\in \ell ^{2}(\mathbb {N} ).\,} ここで y は l2(Z) 内のベクトルで、i ≥ 0 に対して yi = xi を満たし、i < 0 に対して yi = 0 を満たすようなものである。以上の事実は、等長写像の多くのユニタリ伸張を構成する上での肝となる。 S のスペクトルは単位円板である。そのようなシフト S はフレドホルム作用素の一例で、そのフレドホルム指数は −1 である。
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