ノンコーディング‐アールエヌエー【ノンコーディングRNA】
ノンコーディングRNA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 02:59 UTC 版)
ノンコーディングRNA(non-coding RNA、ncRNA、非コードRNA)はタンパク質へ翻訳されずに機能するRNAの総称であり、非翻訳性RNA(non-translatable RNA)。ノンコーディングRNAを発現する遺伝子を、ノンコーディングRNA遺伝子あるいは、単にRNA遺伝子と呼ぶことがある。
- 1 ノンコーディングRNAとは
- 2 ノンコーディングRNAの概要
- 3 ノンコーディングRNAによる核内構造体構築
- 4 脚注
ノンコーディングRNA (ncRNA)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 15:07 UTC 版)
「リボ核酸」の記事における「ノンコーディングRNA (ncRNA)」の解説
詳細は「ノンコーディングRNA」を参照 ノンコーディングRNA (ncRNA) は、タンパク質に翻訳されないRNAの総称である。最も有名なものとしては、前述の運搬RNAとリボソームRNAが挙げられる。この2つはどちらも翻訳に関連しているが、1990年代後半からは新しいタイプのノンコーディングRNAの発見が相次ぎ、ノンコーディングRNAは以前に考えられていたよりも重要な役割を果たしている可能性があると考えられるようになった。 1990年代後半から2000年代前半にかけて、ヒトをはじめとする高等生物の細胞では複雑な転写が行われている証拠が得られてきた。これは生物学においてRNAがより広い領域で、特に遺伝子発現の調節に用いられているという可能性を指摘するものであった。特にノンコーディングRNAの一種であるマイクロRNA (miRNA) は、線虫からヒトに至るまでの多くの後生動物で見られ、他の遺伝子の制御といった重要な役割を果たしていることが明らかにされた。 2004年にRassoulzadeganのグループは、RNAが生殖細胞系に何らかの影響を及ぼしているという説をNature誌に投稿した。これが実際に確認されれば、従来の遺伝学に大きな影響を与え、DNA-RNAの役割や相互作用に関する多くの謎が解明されると考えられている。2015年、ペンシルバニア大学のTracy L. Baleらは、精子中のマイクロRNAの発現量が子に伝わり、父の獲得形質が子に受け継がれることを明らかにした。彼女らは、オスのマウスに過度なストレスを与えて、そのマウスをメスのマウスと交配させた。生まれたマウスに過度なストレスを与えたところ、ストレスに対する耐性が父のマウスよりも高くなっていた。彼女らは、その原因としてマイクロRNAを挙げた。彼女らは父のマウスの精子中のマイクロRNAの発現量が増加していることを発見し、このマイクロRNAが受精卵内のmRNAを破壊している事実を明らかにした。これらのことは、父が獲得した形質がマイクロRNAを通して子に伝わることを示唆している。
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