ナーディル・シャーのデリー占領と略奪・破壊とは? わかりやすく解説

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ナーディル・シャーのデリー占領と略奪・破壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 10:03 UTC 版)

ムハンマド・シャー (ムガル皇帝)」の記事における「ナーディル・シャーのデリー占領と略奪・破壊」の解説

その後ナーディル・シャームガル帝国の富を求めて1737年アフガニスタンへ侵攻したインドとの中継アフガニスタンにおいてはサファヴィー朝衰退1720年代アフガン系ギルザイ族支配するなど、イランアフガニスタン支配権失っていた。 同年ナーディル・シャーカンダハールギルザイ族から奪還しのち、翌1738年にはムガル帝国アフガン人統治失敗したことを口実帝国領侵攻した。彼はアフガニスタン主要都市カーブル占領しアフガニスタン全域支配下置いた同年末、イラン軍北西インドにまで侵入し帝国ラホール占領されたときになって、ようやく大急ぎ防衛準備始めた。だが、派閥争いをしていた貴族らは派閥争いをやめず、防衛指揮系統防衛方法すら合意至らずあいまいなまま、ムハンマド・シャー連れて戦場赴いた。彼らは相互に猜疑心嫉妬心駆られていた。 1739年2月24日デリーから110キロ地点カルナールで、ムガル帝国大軍イラン軍打ち破られ帝国軍主だった指揮官をはじめ、数万人の犠牲を払う痛手被ったカルナールの戦い)。そのため、ムハンマド・シャーナーディル・シャー講和を結ぶことにし、自らその交渉あたった。 こうして、同年3月20日ナーディル・シャーは軍とともにデリー入城しデリー占領した。だが、これに不服だったデリー住人ムハンマド・シャー意に反して21日イラン軍反撃出始めナーディル・シャーは軍に市民皆殺しにするよう命じた。 この虐殺による死者30,000人にも及んだとされ、イラン軍による殺戮略奪放火すさまじくデリー無法地帯化した帝室財産があるデリー城にも略奪が及び、宝物庫からはコーヒ・ヌールダリヤーイェ・ヌールダイヤモンドなど、多数財宝運び出されシャー・ジャハーンの「孔雀の玉座」も持ち出されてしまった(のち孔雀の玉座イラン解体された)。また、主だった貴族からは献納金を徴収し虐殺から辛うじて生き延びた市中人々にも身代金課せられた。 ナーディル・シャーはこの略奪により、じつに総額7億ルピー相当する推定される戦利品得たという。それは兵士未払い給料と6カ月分の給料相当する特別手当支払い可能にし、イランにおいて3年間にわたる免税さえも可能にした。 その後同年5月ナーディル・シャー皇帝ムハンマド・シャーにもはや戦意がないとわかると、彼はデリーから軍を撤退させることにし、その際インダス川以西帝国領割譲させた。こうして、彼は途方もなく莫大な戦利品とともにイランへと帰還し撤退後首都デリーについてある文献はこう語る。 「 「長い間通りには遺体散乱していた。まるで、枯れた花や覆われたように庭園小道のように。平原辺り一面、火に焼きつくされた」 」

※この「ナーディル・シャーのデリー占領と略奪・破壊」の解説は、「ムハンマド・シャー (ムガル皇帝)」の解説の一部です。
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