チップ部品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 23:50 UTC 版)
1980年代以降からは、能動部品であるICの多くがそれまでの挿入実装技術 (THT; through hole technology) に代わって表面実装技術 (SMT; surface mount technology) を採用しはじめ、同時に受動部品でもそれまでの挿入実装用のリード線を延ばした形状から微細なチップ形状にすることで表面実装に対応するようになった。携帯電話やデジタルカメラなど、1990年代以降に登場した携帯型電子製品のほとんどは、薄いプリント基板上に微細な電子部品を表面実装によって緻密に実装することで小型・軽量化を達成している。 これらは「チップ型」と呼ばれる非常に小さい受動部品(チップ部品)であり、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタなどと呼ばれ、大きさにより、3216サイズ (3.2mm x 1.6mm)、2012(2125)サイズ (2.0mm x 1.25mm)、1608サイズ (1.6mm x 0.8mm)、1005サイズ (1.0mm x 0.5mm)、0603サイズ (0.6mm x 0.3mm)、0402サイズ (0.4mm x 0.2mm) などに分類される。チップ化によって小型軽量化だけでなく、無用な寄生容量や抵抗、インダクタンスが最小化できることから特性が向上し、材料の減少から低コスト化が、構成の単純化や軽量化から信頼性向上などが図れる。 非常に軽量なため、条件次第でははんだ付けしても片側が浮き上がることがある。片側が持ち上がった素子を墓石(Tombstone)に見立て「トゥームストーン現象」、マンハッタンに建ち並び高層ビルに見立て「マンハッタン現象」などと呼ぶ。 なお、欧米メーカーではインチのサイズ表記を用いていることが多く、その場合、ミリ表記の1608はインチ表記では0603、ミリ表記の1005はインチ表記では0402となるので紛らわしく注意が必要である。 抵抗とコンデンサは、樹脂製のエンボステープに1個ずつ収められて1巻1万個ほどのリールパッケージで生産現場へ供給されるか、省資源/省コストから110mm×12mm×36mmのバルクケースにバラバラのまま格納されて供給されることが一般的である。インダクタは、リールパッケージを用いるのが一般的である。
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