ジャンル傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:37 UTC 版)
女性を対象としたジャンルで、ティーン向けに見える人物設定でありながら、成人向けのような具体的かつ直接的な性的表現が物語の中で展開される創作物を指す。なお同人誌の場合は、同様の内容でも男性向け・女性向け共に成人向け「のような」ではなく成人向けとみなされる。 定義は少女向けの王道のラブストーリーの「その先を見せる」こと で、内容としては少女向けのラブコメディなどをアレンジしたものだが、恋愛とセックスを同義として描かれる場合が多い。また、明確な恋愛感情を伴わないまま性交する関係の中を行き来する姿が描かれる例もあるが、基本は愛がある行為が絶対である。レディースコミック(以下レディコミ)の影響からかレイプや近親相姦、援助交際といった犯罪や禁忌的な要素が物語に含まれていたことがあるが、現在は、女性がつらい思いをする設定は避けられている。ほか、エッチは必ず“男の方から”というのが基本となっている。なお、男性の社会的スペックは今も昔も高いものが求められている。読者の反感を買わない主人公というのも重要である。 主人公の女性は、読者の年齢層に合わせて10代半ばから20代前半に設定されていたが、東京都青少年の健全な育成に関する条例などの影響による自主規制として、漫画では主人公の年齢は18歳以上が主流になった。学校が舞台の場合も大学や予備校であることがハッキリと分かるように描写されている。(男性向けのアダルトゲームが高校や中学にしか見えない学校を出しながら学園なる呼称を用いることで大学であると言い張っているのとは好対照である)相手役の男性は、はっきりと年齢を出されないこともあるが、作品によっては10代半ば から50代 まで幅広い。物語上の本命の相手役とは現代の法に触れるような設定にならないことが優先されるものの、ヒストリカルものなど舞台設定によってはその限りではない。特に小説では、この傾向が強い。 作品の流れとしては、付き合ってはいたが、倦怠期に入ったカップルが一度は流されるがまた元の鞘に収まるパターンや障害を乗り越えて結ばれる、強引な男性に翻弄される女性主人公等様々なパターンがあるが、大抵の作品はハッピーエンドである。 視覚的な刺激が強い男性向けと比べて、女性向けでは心が伴わなければ受け入れられないという点も看過できない。 もっとも近年は俺様やヤンデレといった性質の男性による事実上の鬼畜・凌辱物に該当する作品も増えてきた。その場合でも相手の男性は主人公を心から愛している、社会的なステータスが王子や貴族、富豪など極めて高い、容姿も秀でているという場合がほとんどである。
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