クレオソート油とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > クレオソート油の意味・解説 

クレオソート油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/20 21:03 UTC 版)

クレオソート油
別名石炭クレオソート
CAS登録番号8001-58-9
形状黄色から茶、黒色の油状
密度1.0 - 1.17 g/cm3, 液体
融点約20 °C
沸点200 - 400 °C
出典ICSC 0572

クレオソート油(クレオソートゆ、Creosote oil)は、コールタール蒸留して得られる液体石炭クレオソートあるいは工業用クレオソートともいう。芳香族化合物をはじめ200近い成分を含む混合物で、カーボンブラックの原料や木材木材保存剤防腐剤・防蟻剤)として利用される[1]

概要

黄色から暗褐色をした刺激臭のある油状の液体で、コールタールを 200-400℃ で蒸留したものから、ナフタレンアントラセンのような結晶性物質、ならびにフェノールピリジンなどの水溶性成分を除去して得られる[2]。製品によって成分比は異なるが、上記化合物のほかフェナントレンフルオランテンピレンフルオレンアセナフテンなど、2-4個の芳香環からなる化合物を主成分とする。

90%以上がタイヤゴムインクトナーに用いられるカーボンブラックの原料とされ、一部が枕木電柱といった屋外で使用される木材の木材保存剤として用いられている。

引火点73.9℃・発火点336.1℃で、消防法第4類危険物(第3石油類)に指定されている。

発がん性問題

原料の石炭に由来する多環芳香族炭化水素 (PAHs) を多く含有することから、クレオソート油はIARCのグループ2A(おそらく発がん性がある)に分類されている[3]。日本では2004年に一部の製品に含まれるジベンゾ[a,h]アントラセン・ベンゾ[a]アントラセンベンゾ[a]ピレンの3種が「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」によって有害物質に指定されたため、家庭用防腐剤は指定物質の含有濃度を 10ppm 以下にすること、および家庭用の防腐木材及び防虫木材は 3ppm 以下にすることが定められている[4](改良クレオソート油)。

脚注

  1. ^ 本文中の数値は 東京都生活文化局消費生活部安全表示課「クレオソート油の成分と安全性等についての調査結果について」[1] による
  2. ^ JIS K 2439:2006 「クレオソート油・加工タール・タールピッチ」
  3. ^ http://monographs.iarc.fr/ENG/Meetings/92-pahs.pdf
  4. ^ 東京都福祉保健局「クレオソート油及び処理木材の基準」[2]

参考文献

外部リンク


「クレオソート油」の例文・使い方・用例・文例

  • クレオソート油.
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「クレオソート油」の関連用語

クレオソート油のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



クレオソート油のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのクレオソート油 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS