キャスティングに関する批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 02:27 UTC 版)
「ミス・サイゴン」の記事における「キャスティングに関する批判」の解説
アジア人、女性の描き方で人種的、性的問題があると批判を受けている。プライスやバーンズなどの白人俳優がヨーロッパ/アジア人を演じることで、カラー・コンタクトレンズ装着や色の濃いファンデーションを使用し、ミンストレル・ショーを思い起こさせるとされた。 オリジナル・ロンドン・キャストにおいて、狂言回しのエンジニア役にはジョナサン・プライスが配され、ロンドン公演からニューヨーク公演に移行する際、俳優労働組合は白人俳優であるプライスの出演を拒否したため、ユーラシアンのポン引きの設定に変えた。俳優労働組合事務局長アラン・アイゼンバーグは「白人俳優がアジア人を演じることはアジア人コミュニティを侮辱する行為である。アジア人俳優をこの役に配役することがとても重要で、アジア人俳優が端役にしかつけない現状を打破しなければならない」と語った。ただしこの意見には英国俳優組合などから表現の自由を侵すものであると多くの批判が上がった。チケットの売り上げは非常によかったにも関わらず、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュは公演中止の脅迫を受けた。 キム役のオーディションは大々的に世界的に行われたが、エンジニア役、トゥイ役などアジア人男性役は特に大きなオーディションは行われなかった。エンジニアの役がユーラシアンとなってからもプライスが白人であることで差別的だと批判された。またプライスはイギリスで有名人のため、アメリカの舞台俳優を配役せず有名外国人をそのまま配役したのだとされる。マッキントッシュからの圧力により、俳優組合は意見を引っ込めることになった。ブロードウェイ公演はプライスがエンジニア役で開幕した。 またウエスト・エンド公演からブロードウェイ公演への移行の際、今度はサロンガがイギリス人でもアメリカ人でもないことが問題になった。サロンガはフィリピン人であり、アメリカ俳優組合は組合員を配役したかったためサロンガの配役に難色を示した。マッキントッシュはアメリカやカナダの複数の都市でオーディションを行なったが、サロンガ以上の適役は見つけられなかった。1か月後、サロンガが正式に再演することになった。
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