カニングフォークと魔女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/22 03:56 UTC 版)
「カニングフォーク」の記事における「カニングフォークと魔女」の解説
カニングクラフト(cunning-craft、賢者のわざ)とウイッチクラフト(witchcraft、魔女のわざ、妖術)の関係については意見が分かれる。歴史学者のロナルド・ハットン(Ronald Hutton)は後者は純粋にヨーロッパの魔女狩りにおける民衆の幻想にすぎなかったと考え、そのため両者は峻別されると主張する。彼は「カニングフォーク」という言葉をブリテン諸島だけでなくイタリアやヨーロッパのその他の地域における民間呪術師に対しても用いている。 E・ウィリアム・モンター(E. William Monter)、エーヴォ・ポクス(Éva Pócs)、カルロ・ギンズブルグ、グスタフ・ヘニングセン(Gustav Henningsen)といった他の歴史学者らは、キリスト教の聖職者や教会法学者から着せられた悪魔的外被を除くと、多くの諸個人がウイッチクラフトのステレオタイプに多くの点で適合する信仰と実践を有していたとし、その限りにおいて魔女はかつて実在していたと主張する。特にモンターは、イングランドのカニングフォークとフランスの白魔女との間の際立った類似性を確認し、両者が共通の信念体系から生じたものである可能性を見出している。 他の多くのヨーロッパの呪術の従事者と同様、カニングフォークは依頼人の苦しみの原因である魔女を特定することにより、魔女発見者の役割を果たすこともあった。「魔女」(害悪魔女)と「反魔女」(害悪魔女に対抗する呪術師)を区別することはヨーロッパ中でほとんどないが、地域の信頼された呪術師は反魔女とみなされた。一方でその地域社会の外部の呪術師は「魔女」とみられることの方が多かった。
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