オブジェクト指向分析設計
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 01:34 UTC 版)
オブジェクト指向分析設計 (オブジェクトしこうぶんせきせっけい、OOAD、英: object-oriented analysis and design ) は、ソフトウェア工学において、ソフトウェア (システム) を相互作用するオブジェクトの集まりとしてモデル化 (オブジェクト指向モデリング) する、オブジェクト指向に基づくソフトウェア開発の方法である。オブジェクト指向の理論的枠組みに基づくソフトウェア開発、すなわちオブジェクト指向開発を行う際の、ソフトウェア開発工程において、分析工程であるオブジェクト指向分析 (OOA; object-oriented analysis) と、設計工程であるオブジェクト指向設計 (OOD; object-oriented design) の、総称である。なおプログラミング工程は、オブジェクト指向プログラミング (OOP; object-oriented programming) という。オブジェクト指向プログラミングの詳細については同項目を参照のこと。オブジェクト指向開発の具体的な方法論を、オブジェクト指向開発方法論 (object-oriented methodology) という。この項目では、オブジェクト指向開発におけるオブジェクト指向分析とオブジェクト指向設計、およびオブジェクト指向開発方法論を、主に説明する。
- ^ “What Is Object-Oriented Design?”. Object Mentor. 2007年6月30日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2007年7月3日閲覧。
- ^ エリック・ガンマ、リチャード・ヘルム・ラルフ・ジョンソン・ジョン・ブリシディース・本位田真一 (訳) ・吉田和樹 (訳)『オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン 改訂版』ソフトバンククリエイティブ、1995 (1999再版)。ISBN 978-4-7973-1112-9。
オブジェクト指向分析
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「オブジェクト指向分析設計」の記事における「オブジェクト指向分析」の解説
オブジェクト指向分析 (OOA; object-oriented analysis) は、システム化の対象となる領域 (問題領域; problem domain) を対象とし、分析の対象となる問題領域に存在するさまざまな情報の概念モデル (conceptual model) を作ることを目標とする工程である。オブジェクト指向分析で作る分析モデルでは、実装の水準において生じる可能性があるさまざまな種類の制約 (constraint) は、まったく考慮しない。ここで述べた実装の水準における制約には、並行性、分散化、永続化などが、含まれる。すなわち分析モデルでは、システムがどのように構築されるかということは、まったく考慮しない。実装の水準における制約は、オブジェクト指向分析の次の工程であるオブジェクト指向設計 (OOD) で、とり扱う。 オブジェクト指向分析の作業のもととなるのは、記述された形式の要求仕様、将来に向けての企業戦略を記した書類、利害関係者 (ステイクホルダー) やその他の関係者へのインタビューなどである。システムは複数の領域に分割されることがある。システムが分割される際に、分割の基準となるのは、システムが複数のビジネスに関係する場合、その他複数の関心の領域がある場合などである。分割されたシステムは、それぞれ個別に分析される。 オブジェクト指向分析の成果物は、開発するシステムが機能的に「何を」することが必要であるかということを、概念モデルの形で記述したモデル図や文書である。オブジェクト指向分析の成果物は、ユースケース、および統一モデリング言語 (UML) の複数のクラス図や多数の相互作用図のセットであることが多い。ユースケースは、ユースケース図を使って描くことができる。成果物は、システムのユーザインタフェースを模擬して記述した資料を含むことがある。なお、アジャイルソフトウェア開発の開発方法論を採用する場合は、オブジェクト指向分析の成果物は、必要十分な最小限の成果物を作成するのみであることが多い。
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