アルゴリズムの概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 00:11 UTC 版)
場面を構成する物体の表面は多くの小さな平面に分割されている。角関係 (view factor) は各々の小平面に対して計算されなくてはならない。角関係とは面と面とが互いに見えているかどうかを表す係数である。角関係は互いの面が離れている場合やお互いに傾いて存在している場合には小さな値の係数によってあらわされる。また2つの小平面の間に他の平面が存在する場合には、その平面によって2平面間が完全に遮られているか部分的に遮られているかで、係数を0にしたり小さくしたりする。 これらの角関係は線形のレンダリング方程式(英語版)における係数として扱われる。この方程式を解くことがラジオシティ法の主な処理であり、これにより小平面間の拡散や相互反射、柔らかな陰影などを扱うことができる。 漸進的なラジオシティ法ではこの方程式を繰り返し計算によって解き、その計算の過程でそれぞれの小平面における放射発散度(ラジオシティ)の中間値を得る。これらの中間値は光子の反射回数と関係がある。つまり1回の繰り返し計算で得られる中間値は光子が光源を出発してから1度だけ反射をした場合の放射発散度を表しており、繰り返しが2回、3回と増えるごとに得られる中間値が表すものが2回、3回反射した光子による効果へと変わっていく。さらにある繰り返し回数で十分なレンダリング結果が得られると判断される場合には計算の収束を待つことなく計算を終了することもできる。 ラジオシティ法におけるレンダリング方程式を解く手法として、この他にシューティングラジオシティという手法がある。この手法は繰り返し計算を行うごとにエラーが最も多い小平面から光子を放つことによりレンダリング方程式を解く方法である。1回の繰り返し計算では光が直接あたるような小平面しか照らされないが2回目以降の繰り返し計算では場面のあらゆる場所から光が反射してくるため、より多くの小平面が照らされることとなる。この繰り返し計算を行うことで、照明状態が一定の安定状態に至る。
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