わがままなのか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 05:32 UTC 版)
人によってアスペルガー症候群の症状はさまざまである。穏やかな人もいれば、感情が激しやすい人もいる。一生懸命やっても仕事がうまくいかない人もいれば、有名大学卒や大企業に勤務する人もいる。アスペルガー症候群の人は極めて論理的な思考の持ち主なので、構造化された環境で適職に就いた場合は、その力を発揮できる可能性がある。あるいは、アスペルガー症候群の人はむしろ知的には高いことも多いので、周囲が障害に気づかず、「ちょっと変わった人だな」と思われるだけで済んでいることもある。 一方で、決まりきった日常と予想可能性が必要なアスペルガー症候群男性にとって、予想不可能な事柄が多い家庭生活では困難なことが多い。生活上で困ったことが起きると、神経系への過剰な負担となって、アスペルガー症候群男性は頑固になりストレスが高じてくる。オーバーロード状態になり、女性はパートナーに支えてもらえない。さらに、アスペルガー症候群男性の存在自体が問題をさらに難しくする。ストレスで冷静さを失ったアスペルガー症候群男性は、問題に立ち向かうのを拒否するからである。 どんぐり発達クリニック(東京都世田谷区)の宮尾益知院長は「アスペルガーの人は会社など外では問題がない場合もあり、パートナーの苦しみが周囲に理解されづらい。実際に一緒に暮らしてみないと分からない問題がある」と指摘する。外で気を張っている分、家庭内で緊張感がなくなり、より特徴が強く出てしまうことがあるという。 社会的にはどんな好条件の相手であっても、夫婦になってからの情緒的な関わりの乏しさは妻を孤独にする。人が羨む生活に見えることが、アスペルガー症候群エピソードを持つ夫との葛藤をかえって見えにくくしている。
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