はらわたの熱きを恃み鳥渡るとは? わかりやすく解説

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はらわたの熱きを恃み鳥渡る

作 者
季 語
季 節
秋 
出 典
 
前 書
 
評 言
 静生の主宰誌の標榜は「地貌とからだ感覚通してうたう」というものである。本句では地貌はともかく、からだ感覚の方は標榜どおりと言えるだろう。はらわた(腸)は俳句ときおり登場するが、人間および場合が多い。古くは「の声波をうって腸氷る夜やなみだ 芭蕉」や「錆びはらわたを喰み顔昏るる 細見綾子」などである。の、しかも飛んでいる状態での詠われ方は少ない。わずかに腸の先づ古び行く揚雲雀 耕衣」があり、もしかしたら本句のヒントになっていたかも知れない
 静生は『俳句からだ感覚』で鬼房を取り上げた際に「芭蕉似は弱きはらわた冬紅葉」などを評して「<はらわた>などとからだの内蔵即物的詠う云々」と述べている。俳句の即物具象論はかなり以前から叫ばれているが、「からだ感覚」はその言い換え見れば分りすいよう思われる人間限らず鳥獣から魚介に至るまで、その諸器官単なる構成単位の名称という即物性に留まらない。「腰を据える腹を決める目頭が熱くなる」などのように象徴性があるだけに即物具象的な俳句表現にはもっとも適している言葉名詞)であると思う。
 それにしてもはらわたの熱きを恃み」とはよくぞ言ってくれたものだ。「下腹力を入れる。臍下丹田」はいわば「はらわた」の辺りである。人間腹巻はその冷えを防ぐための健康法な訳で「腸は熱い」に越したことはない
 本句は心も体も熱く力強い渡り鳥指している。その意味では意外なほど明るく健康的な一句読み取れるのである
 
評 者
備 考
 



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