なぜ「振り逃げ」というのか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 00:32 UTC 版)
「振り逃げ」の記事における「なぜ「振り逃げ」というのか」の解説
規定自体は公認野球規則5.05(a)(2)および5.09(a)(2)に置かれているが、振り逃げという言葉はその規則文のどこにも書かれていない(もっと正確に言えば、何の名称もつけられていない)。したがってルール上の用語ではなく、野球中継の実況解説などでも「いわゆる『振り逃げ』」と表現される場合がある。 しかしながら、「振り逃げ」という呼称もこのルールの本質を正確に現したものではない。非常に稀な例ではあるが、打者が空振りをしなかったが投球がストライクゾーンを通過したために第3ストライク(つまり「見逃し三振」の状態)が宣告されたとき、捕手がこの投球を完全捕球できなかった場合も「振り逃げ」できる状態となる。この場合、打者はバットを振らずとも一塁に向かって進塁してよい。つまり、打者がバットを振ったかどうかは関係ないのである(デイリースポーツやサンケイスポーツで記者を務めた庵原英夫はこれを食い逃げと表現している)。 ただ、捕手が正規に捕球できないような投球はストライクゾーンから外れていることが多く、そのような投球は見逃せばボールなので、打者が空振りをしないとストライクにならない。ストライクゾーンを通った投球は、十分に訓練を積んだ適性のある捕手であれば正規に捕球する可能性が高い。仮にストライクゾーンを通り打者が見逃した投球を、捕手が正規に捕球できなかったとしても、せいぜい手の届く範囲にボールを落とす程度である。その場合にボールを大きく後逸することは少なく、打者が一塁への走塁を試みたところで捕手がボールを拾い打者の身体に触球するか一塁へ送球するかして、ほとんどアウトにされる(例外として後述の東映対大毎の試合)。 よって実際には、打者が振り逃げを試みる状況において、打者はその直前にストライクゾーンから外れた投球に対して空振りをしていることが多いので、日本では一般に「振り逃げ」という用語が用いられている。 また、一方で日本での野球の「三振」においても「振」には見逃しを含めたストライクの意味がある。
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