三省堂 大辞林 |
つかわ・す つかはす 0 3 【使わす/遣わす】
〔動詞「つかふ」の未然形に尊敬の助動詞「す」の付いた語〕
(1)上位者が下位者を行動させる。また、物などを与える。本来、動作者に対する敬意を含んでいたが、次第に敬意が薄れていった。
(ア)上位者が下位者を使者として派遣する。
「聖徳太子が小野妹子を隋に―・す」「仲麿を唐(もろこし)に物習はしに―・したりけるに/古今(羇旅左注)」
(イ)上位者が下位者を行かせる。
「この翁丸(=犬ノ名)打ち懲じて犬島へ―・せ/枕草子 9」「その田を刈りて取れ、とて人を―・しけるに/徒然 209」
(ウ)上位者が下位者に物・歌・手紙などを与える。贈る。
「手前にも御祝儀をお―・し下さいまし」「(帝ハカグヤ姫ノモトニ)木草につけても御歌をよみて―・す/竹取」「御文にはいといみじき事を書き集め給ひて―・す/源氏(浮舟)」「色々の染物三十、…小袖に調ぜさせて後に―・されけり/徒然 216」
(2)聞き手に対する敬意を表す表現で、物・人を第三者に送る、あるいは第三者から物・人が送られることをいう時に、受け手を低めることによって聞き手を敬う。
(ア)話し手(の側の人)が第三者に物や人を与えたり送ったりする場合。やります。(人を)行かせます。
「まうで来て帰りにける後によみて花に挿して―・しける/古今(春下詞)」「かうかう今は、とてまかるを、何事もいささかなる事もえせで―・すこと/伊勢 16」
(イ)第三者が話し手(の側の人)に物や人を与えたり送ったりする場合。よこします。
「おもしろき桜を折りて友たちの―・したりければ/後撰(春中詞)」「『さらば(オマエハ)行きて取りて来なんや』と言へば、『―・さばまかり候はん』と言ふ/宇治拾遺 12」
(3)(補助動詞)
動詞の連用形に助詞「て」(「で」)の付いた形に付いて、「…してやる」の意を表す。尊大な気持ちがこめられる。
「許して―・す」「ほめて―・す」
漢字辞典 |
出典:漢字辞典 |
遣
遣 |
「つかわす」の用例一覧
京へ上った退屈男 (青空文庫)
その言葉のはしにのせながら、横柄に言いました。 「退屈の折からじゃ、目をかけてつかわすぞ、神妙に占ってみい」 「………」 「どうじゃ。第一聞きたいは剣難じゃ。あらば早う会うて見たいものじゃが、あるかないか、どう...
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旗本退屈男 (青空文庫)
けたかと見えたが、果然、謎の宗十郎頭巾が折紙つけたごとくその態度が一変いたしました。 「けだ物共めがッ、人間の皮をかむっているなら、も少し聞き分けがあるじゃろうと存じていたが、それ程斬られて見たくば、所望通り対手になってつかわす...
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上村松園 軽女 (青空文庫)
助の真意を解しかねて呆れはて、 「これはいっそのこと 側室 ( そばめ ) でも置いたら、あのような乱行はなくなるであろう」 そう言って、拾翠菴の 海首座 ( かいすそ ) に頼み、二条寺町の二文字屋次郎左衛門の娘お軽を内蔵助のもとへつかわす...
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