がん診療研究教育に関する取り組み
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「山形大学医学部・大学院医学系研究科」の記事における「がん診療研究教育に関する取り組み」の解説
山形大学医学部は、2004年以降、がんに関する診療・教育・研究を充実させるさまざまな取り組みを行っている。まずは、大幅な機構改革により、2004年にがんの基礎研究講座(腫瘍分子医科学講座)を設け、2006年には放射線腫瘍学講座を設置、2007年には抗がん剤治療を専門的に扱う臨床腫瘍学講座を立ち上げ、全国大学医学部初の腫瘍基幹3講座設置となった。さらに、大学病院としては初となる「がんセンター」を2005年に設置し、2007年には関連診療科が全集合してがん治療方針の検討会議を行うキャンサートリートメントボードを開始している。 2007年から文部科学省のがんプロフェッショナル養成プランが採択され、2008年からは全国で唯一、文部科学省のがんEBM人材育成普及推進事業が採択。科学的根拠に基づくがん医療の普及に貢献できるがん専門医を育成するとともに、東北全域を対象にインターネット講義を行い、東北全体のがん医療のレベルアップを目指している。 2012年4月には、かねてより導入を目指していた重粒子線がん治療施設の設置準備室を開設。国立がん研究センター初代理事長を退任し、山大に復帰し準備室長に就任した嘉山孝正は、「世界一の治療技術を備え、国際的なメディカルセンターにする狙いだ。がんに苦しむ患者を国内外から集める他、教育の質を高め、優秀な医師を輩出する大学の使命を果たす。施設導入は患者のためであり、大学の存在意義にもつながる。高度な技術を持つ産業界も巻き込み、地域活性化の線上で構想を進めたい」としている。また学長の結城章夫(当時)は「最短で2、3年後には設置できる」との見通しを明らかにしている。 重粒子線がん治療施設は2016年1月着工し、2020年3月から治療開始を予定していた。だが、設置中の装置の不具合等により、開始が遅れ、12月14日に開所式を行い、2021年2月から患者の治療を始める。稼働開始までの総事業費は約150億円。内訳は国の予算が66億円、行政(自治体)の支援が30億5000万円、個人・一般からの支援が約8億円、財政投融資の借入が約50億円弱である。
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