お登勢とは? わかりやすく解説

お登勢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 06:53 UTC 版)

お登勢

お登勢(おとせ、文政12年(1829年)? - 明治10年(1877年9月7日)は、幕末期の寺田屋女将である。

略歴

近江国大津旅館を経営していた大本重兵衛の次女として生まれた。18歳で、伏見南浜の船宿である寺田屋の第6代目主人寺田屋伊助の妻となり、一男二女をもうけた。夫伊助は放蕩者で、経営を悪化させたので、お登勢が代わりに寺田屋の経営を取り仕切り、姑の面倒も見ていた。伊助は(酒を飲みすぎとも言われるが)病に倒れて35歳で若死にしたが、お登勢はそのまま女将として家業を続けた。

寺田屋は薩摩藩の定宿であり、文久2年(1862年)には寺田屋騒動が起きて薩摩藩士が斬り合いを行なった際には、お登勢もその場にいて3歳の次女を竈に隠して帳場を守った。事件後、薩摩藩からの見舞金が入り、使用人に命じて即座に畳や襖を取り替えて、営業できるように整えたと言う。

お登勢は人の世話をすることを道楽としており、坂本龍馬をはじめとする幕府から睨まれていた尊皇攘夷派の志士たちを保護した。龍馬に託されたお龍は養女として扱い、お龍の母に仕送りまでしていた。

慶応2年1月24日(1866年3月10日)、寺田屋に滞在していた龍馬と三吉慎蔵伏見奉行によって襲撃され捕えられそうなった遭難があり、薩摩藩と伏見奉行との間で軋轢が生れ、薩摩側のお登勢も幕府から目を付けられて、危険人物と見なされて牢に入れられかけたこともある。

明治10年(1877年)、死去。墓所は寺田屋に程近い伏見松林院。

逸話

  • 龍馬が彼女に宛てた手紙の多くは、彼女に頼み事や泣き草を聞いてもらうようなものが多いことで知られる。
  • 殿井力(お登勢長女) 「『私は坂本龍馬から承って来た、何藩の浪人だが旅用がないから少々借用したい』、『私は陸奥陽之助の友人じゃが、実は内々江戸の様子を探りに往く、路銀に乏しいから今夜は特別に一泊さして呉れ』などと引切りなしに来られるのを、一度も謝絶したことはなく出来るだけのお世話を致しました」[1]

関連作品

映画
テレビドラマ
舞台
漫画

参考文献

  • 歴史群像編集部 編『幕末維新人物事典 : 天皇・公家・将軍・幕臣・大名・藩士・諸隊隊士・女性・商人・外国人ほか : 全国版』学研マーケティング、2010年。ISBN 9784054044630 

脚注

  1. ^ 『維新史跡図説』P333

お登勢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 02:06 UTC 版)

銀魂のすごろく」の記事における「お登勢」の解説

第一訓で登場銀時らの大切なもの預かった

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お登勢(おとせ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 02:41 UTC 版)

隅田川御用帳」の記事における「お登勢(おとせ)」の解説

橘屋女主人生まれ京都で、物語開始時点で25歳十四郎を雇う3年前橘屋主人であった夫を病気亡くした立場弱く虐げられたり、我慢強いられたりしている女性たちへの思い人一倍強く時に自身の危険も顧みず事件立ち向かう。そのため、最初のころはよく十四郎に無叱られていた。

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お登勢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 13:34 UTC 版)

竜馬がゆく」の記事における「お登勢」の解説

伏見船宿寺田屋女主人面倒見がよく、頭の良い女性。竜馬ほれているが、それを表に出さない身寄りのないおりょう養女とする。

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お登勢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:32 UTC 版)

お〜い!竜馬」の記事における「お登勢」の解説

寺田屋のおかみ。

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