『良寛道人遺稿』出版に尽力とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 『良寛道人遺稿』出版に尽力の意味・解説 

『良寛道人遺稿』出版に尽力(慶応元年?~慶応3年3月 68?~70歳)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 05:42 UTC 版)

貞心尼」の記事における「『良寛道人遺稿』出版に尽力(慶応元年?~慶応3年3月 68?~70歳)」の解説

加藤僖一は、こう述べている。 『良寛道人遺稿』は、慶応3年わが国最初に刊行され良寛詩集である。しかも唯一の木版本であり、資料としても書物としても、非常に貴重性が高い。編者雲和尚は、上州前橋竜海院の第29世の住職明治2年没。本書巻頭掲げられ良寛肖像も、良寛弟子貞心尼や遍澄の下絵参考にして、雲和尚が書いたのである。(相馬御風著『良寛百考』、渡辺秀校註大愚良寛』による)」、「雲和尚は弘化4年越後巡錫してき、その後一時柏崎吉井善法寺にすんでいたことがある良寛和尚遺稿見て感銘をうけ、五合庵訪ねたり貞心尼とも会い良寛詩集思い立ったようである。」、「良寛肖像が、口絵一頁描かれている。この肖像前にもふれたように貞心尼原画書き雲和尚が仕上げたといわれている。まだ写真などなかった時代であるから、この絵が、最もよく良寛風貌とらえた貴重な資料いえよう右肩には「良寛道人肖像」と篆書書かれている。この肖像ウラは白で、次に良寛道人略伝」が、四頁にわたって掲載されている。文はやはり雲和尚。書は碧山星嶂という人の手になる隷書体。なかなか装飾性に富むきれいな隷書である。良寛略伝手際よくまとめ、かつ、貞心尼から、しばしば助言をうけたことを書きとどめている。 — 加藤僖一 、『良寛道人遺稿 全』1982, pp. 140~142 加藤僖一は、『良寛道人遺稿 全』の解説に、こう述べている。 大島花束氏の『良寛全集』には、貞心尼雲和尚宛に出した手紙収録されている。その一部に「詩集一冊、序文二通り、是は島崎へん澄と申す法師年頃禅師親しく致しし人にて、此度開版の事につき、わざわざ私方へ持参致され候まま、差上げ御目にかけ参らせ候。時は同じことに候へど、所々文じのあやまりあるを、学者改め直したりとの事に候。序文俗人の作にてさのみ取るべき所もなきやうに候へど、御慰の為め、御覧入れ参らせ候。便の御かへし被下度候。」とあり、右の詩集のほかに、遍澄が書き集め詩集をも参考にしていることがわかる。またここにふれられている序文は、鈴木文台あたりの手になるものをさすと思われるが、俗人の作とばかり、手きびしいきめつけ方をしている。 — 加藤僖一 、『良寛道人遺稿 全』1982, p. 141 相馬御風は、こう擁護している。 貞心尼良寛和尚詩集開板者である上州前橋龍海院雲和尚に宛てた手紙中に学者某が良寛和尚の詩を集めたのはいいが、それに文字誤りがあるといって所々改め直したのはけしからぬ、又序文如き俗人又は真に良寛その人解しない者の書いたのは無きに劣るというような事をいっている。そうした点では、貞心尼もなかなか一家見識高持していたらしい世間並の尼さんでなかったことは、こんな事からだけでも想像出来る。 — 相馬御風 、「貞心尼雜考」『貞心千代蓮月』1930, p. 54 慶応三年貞心尼七〇歳の三月上州前橋竜海院雲和尚が、良寛の詩一八二首、法華五二首を収めた良寛道人遺稿』(良寛漢詩集の最初刊行)を江戸で出版したが、書中良寛道人略伝に、「又屡(しばしば)其の参徒貞心尼なる者に就いて、師の履践(りせん)風彩を詳(つまびらか)にす」(原詩漢文)と断っている通り良寛閲歴、とくに巻頭画像については貞心尼によるところが大きかった画像世に残され良寛像のうちもっとも真に迫るといわれ、原画貞心尼の手よるものとされているが、かつて雪堂によって描かれた師像への記憶によるところが大きいものとされている。 — 小出町教育委員会 、『小出町史 上巻』1996, pp. 1014-1015

※この「『良寛道人遺稿』出版に尽力(慶応元年?~慶応3年3月 68?~70歳)」の解説は、「貞心尼」の解説の一部です。
「『良寛道人遺稿』出版に尽力(慶応元年?~慶応3年3月 68?~70歳)」を含む「貞心尼」の記事については、「貞心尼」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『良寛道人遺稿』出版に尽力」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『良寛道人遺稿』出版に尽力」の関連用語

1
8% |||||

『良寛道人遺稿』出版に尽力のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『良寛道人遺稿』出版に尽力のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの貞心尼 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS