「シーンの外」という概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 15:09 UTC 版)
「シーン制」の記事における「「シーンの外」という概念」の解説
シーン制のTRPGの多くは、ゲームマスターによって描写されたシーンに登場していない(もしくは登場に失敗した)キャラクターの状態を定義するルールがある。 「シーンの外」という考え方はシーン制に見られる特徴でもある。シーン制においての「世界」とはシーン描写されたものが全てである。シーンに描かれていない場所は、等しく「世界のどこか」であり重要ではない。そのため、シーンに未登場なキャラクターが海にいるとか山にいるとかいうことは一切考える必要はない。彼らはただ「シーンの外」にいるのである。 もしも、シーン未登場のキャラクターがそれまでどこにいたかが重要になる場合は、そのシーンが終わってから「シーンに未登場だったキャラクターたちが同じ時間で何をしていたかを表現するシーン」が新しくシーンとして描写される。シーンとして描写されることで初めて場所や時間に意味が持たされるのである。ファーイースト・アミューズメント・リサーチ社のゲームでは、この「シーンの外」の考え方を舞台演劇にならって、舞台裏と呼ぶ。 多くのシーン制のゲームでは「シーンの外」でのみ行えることが定義されることがある。例えば、アルシャードでは休息によるヒットポイントの回復などはシーンの外にいるキャラクターのみが行える、とされている。トーキョーN◎VAでは、マスコミへの情報操作などで相手を社会的に抹殺する「社会戦」と呼ばれる行為は、時間のかかる行為として「シーンの外」でないと行えない場合がある。 ほとんどのシーン制のゲームでは前述した「シーンへの登場」という行為は「シーンの外」からのみ行える行為として定義されている。またこの逆にシーンからの「退場」という行為も存在する。これはシーンから「シーンの外」へと移動する行為であるが、多くのゲームでは退場という行為は通常の物理的な空間移動とは全く異なるものとして考えられ、退場の仕方はルールで処理される。広大な舞台の中で走り回るのではなく、舞台そのものから降りるのが退場なのである。そのシーンの主役とされるキャラクターが定義されていた場合、そのキャラクターが退場した場合シーンそのものが終了する。
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