「シ」と「ヒ」とは? わかりやすく解説

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「シ」と「ヒ」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 07:03 UTC 版)

江戸言葉」の記事における「「シ」と「ヒ」」の解説

子音口蓋化関連して次の両者入れ替わる。 /i/ または /y/ の直前に立つ /s/、すなわち音節としては、「シ、シャシュショ」 /si, sya, syu, syo/ /i/ または /y/ の直前に立つ /h/、すなわち音節としては、「ヒ、ヒャ、ヒュ、ヒョ」 /hi, hya, hyu, hyo/ 俗に“「白鬚橋」(シラヒゲバシ)を「ヒラシゲバシ」と言う”などと言われそのほかにも 「東」 : ヒガシ~シガシ 「質屋」 : シチヤ~ヒチヤ 「潮干狩り」 : シオシガリ~ヒオシガリ~ヒヨシガリ 「広島」は「ヒロシマ」と発音できるが、「東広島」になると「ヒガシシロシマ」・「シガシヒロシマ」・「シガシシロシマ」 「執事」(シツジ)と「羊」(ヒツジ)が入れ替わる などの「は行抜け現象」が聞かれる。「ヒラシゲバシ」の例では、本来の [s] が [ç] に発音される現象と、逆に本来の [h] が [ɕ] に発音される現象とが同時に起こっており、これによるなら、音素上の区別はすでになくなっているものの、音声としては未だ安定であるということになる。実際少なくとも江戸言葉話者でない者には、一つの語が話者によって、時によって、異なって聞こえるのがこの現象特徴でもあり、「白鬚橋」は「シラシゲバシ」のように聞こえることもある。これらの現象規則的な音韻法則であり、特定の語にのみ起こるものではない。 類似の現象東関東(茨城弁など)から東北にかけての一部方言琉球語などにも見られるが、それらの方言では一般に (1) “「チ」と「キ」との混同”や“「ジ」と「ギ」との混同”が同時に見られ、また (2) その音声一意的に [ɕ] [ʨ] [ʥ] などの子音に確定されるのに対し江戸言葉では (1) 「チ」と「キ」や「ジ」と「ギ」を混同することはない点、(2) 上記のとおり音声揺らぎ見られる点において、違い顕著である。また「シ→ヒ」は京都大阪などの近畿方言でも見られる(例: シツコイヒツコイ)が、これは「シ」に限らずサ行全般で起こるハ行音化(例: ソレナラ→ホンナラ→ホナ、サン敬称)→ハン など)の一環であり、後続する /i, y/ による口蓋化有無とは関係がなく、また特定の語のみで起こるものであり、江戸言葉の「シ→ヒ」とはカテゴリ異な事象である。

※この「「シ」と「ヒ」」の解説は、「江戸言葉」の解説の一部です。
「「シ」と「ヒ」」を含む「江戸言葉」の記事については、「江戸言葉」の概要を参照ください。

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