UFO大戦争 戦え! レッドタイガー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 13:18 UTC 版)
概要
当初の放送時間帯であった、土曜18時台前半での前番組であるテレビアニメ『ドン・チャック物語』と同様に、後楽園ゆうえんちが企画し[2]、野外劇場用のオリジナルヒーローとして、アトラクション先行で制作されたヒーロー番組である[2]。1970年代の後楽園ゆうえんちでは、『仮面ライダー』ショーの好評を受けて野外劇場が常設され、仮面ライダーシリーズや『秘密戦隊ゴレンジャー』のショーが人気を博していたが、『ゴレンジャー』に続く『ジャッカー電撃隊』は番組自体が短命に終わり、シリーズも途切れるかたちとなった[2]。本作品は番組事情に左右されず安定して活用できるヒーローとして創作された[2]。
番組の企画は当初、広告代理店の大広を通じて東映の平山亨に打診されたが、提示された予算額があまりにも低かったために交渉は破談となり、最終的には原作者主宰の大野剣友会が下請制作を引き受けることになり、大野幸太郎が原作、長坂秀佳と上原正三が脚本、実質的な制作を創英舎が担当することとなった[3]。
本作品の主人公であるレッドタイガーは、素顔が全編通じて画面に出てこず、その正体が劇中で明かされるまでは謎多きヒーローだった。大部分の脚本を長坂秀佳が手がけており、長坂の代表作である『快傑ズバット』や『特捜最前線』などで多用された父と子の親子愛や奇抜なアイデアセンスが多様にストーリーに盛り込まれた。記憶喪失の親がロボットの重要回路の秘密を持って放浪しており、子供たちがそれを追って旅する、ピンチになるとヒーローが駆けつけるというシチュエーションは、『キカイダー』と共通する。『’70年代特撮ヒーロー全集』では、上原正三が参加していた『シルバー仮面』との類似性も指摘されている[4]。
当時剣友会に所属し、後に造形家として活躍する若狭新一が造形に参加し[5]、中村文弥も携わっていた[6]。
メインのストーリーは、第37話にてレッドタイガーとブラックデンジャー魔王が相打ちという形で決着が付く。その後の2話分は、軍団残党の陰謀を阻止する旅先の中で、天野一家が過去のレッドタイガーの活躍を回想するという筋書きの総集編となっている。
本放送時にはネット局が少なく、再放送が行われた放送局も限られている。
企画の主体である野外劇場では、仮面ライダーやゴレンジャーとの共闘も展開されたが、キャラクターとしての訴求力不足により、翌年の『バトルフィーバーJ』以降はスーパー戦隊シリーズがメインとなった[2]。
注釈
出典
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 224.
- ^ a b c d e 「特集企画 スーパー戦隊その極意 Volume8 ヒーローとは不可分!? アトラクションショー」『スーパー戦隊 Official Mook 21世紀』 vol.8《炎神戦隊ゴーオンジャー》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2017年5月25日、30頁。ISBN 978-4-06-509519-5。
- ^ 特撮全史 2016, p. 102, 「UFO大戦争 戦え! レッドタイガー」
- ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 192.
- ^ 若狭新一 2017, pp. 277–279, 「若狭新一インタビュー」
- ^ a b OFM仮面ライダー9 2004, pp. 27–29, 和智正喜「特集 大野剣友会 ライダーアクション影の主役たち」
- ^ a b c d e f 全怪獣怪人 下 1990, p. 225
- ^ a b c d e f g h i j 『大野剣友会伝 ヒーローアクションを生んだ達人たち』風塵社、1999年7月15日。ISBN 4-938733-69-2。
- ^ 第37回 海洋堂でSHOW!? 高知イベント特集 1:40:40「因みにあの古田悟郎君てのは、昔の戦え! レッドタイガーというテレビ番組の主役の少年だった、子役やってたんですよーって」 【最終回】第67回 海洋堂でSHOW!? 2/2 11:50「昔あのランボルジャイアントという戦え! レッドタイガーの主役少年だった。子役やったんですよ」
- ^ a b 宇宙船SPECIAL 1998, p. 231.
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