PGM-11 (ミサイル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 07:44 UTC 版)
派生機種
ジュピターC/ジュノーI
ジュピターC (Jupiter-C) は弾道ミサイルジュピターIRBMの前の世代の弾道ミサイルレッドストーンSRBMを改良した大気圏再突入テスト用又は衛星打ち上げ用ロケットである。似通った名前を使っているジュピターIRBMとは設計が全く異なる。
1段目は、レッドストーンSRBMの燃料タンクを延長し容量を増やし燃焼時間を延ばした。エンジンはA-6の改良型のA-7を用いた。また、燃料はエタノール水溶液からHydyneに変更し、毒性があるが、推力と比推力を向上させた。さらに、サージェントSRBMから派生した小型の固体燃料ロケット「ベイビー・サージェント」を、11本円環状に並べたものを2段目とした。その2段目の中央に、第3段として同型の固体燃料ロケットが3本備わる。
ジュピターCロケットの上に、先端の衛星と一体となった推力816kgの「ベイビー・サージェント」固体ロケット1本を4段目として備えたものをジュノー (Juno)またはジュノーI(Juno‐I) と呼ぶ。このロケットモーターは最後まで衛星と分離されないで、一体となって軌道を回る。
マーキュリー・レッドストーン打上げ機
マーキュリー宇宙船を弾道飛行させるために、ジュピターCをもとに開発されたロケットである。マーキュリー宇宙船を飛行距離約380km 、高度220km 、飛行速度6800km/hに到達させる能力を持つ。宇宙飛行士を安全・確実に飛行させるために、必要な改良が施されている。
燃料タンクはジュピターCの1段目と同様の延長拡大されたものを用いた。エンジンはジュピターCと同様のA-7を用いた。さらに使用燃料を有害なHydyneからエタノール水溶液に戻した。
マーキュリーカプセルとロケットの燃料タンクの間の部分には「後方セクション」と呼ばれるロケットの慣性誘導装置を含む電子機器や装備機器を搭載する部分がある。この「後部セクション」はロケット部分と一体となっていて、マーキュリーカプセルとは分離される。分離後のカプセルは、自身の誘導装置で誘導される。その他の変更点としては、レッドストーンミサイルで使用された慣性誘導装置ST-80が、LEV-3自動操縦装置に変更された。LEV-3はST-80ほど洗練されても精密でもないが、マーキュリーのミッションには充分な精度をもっており、その簡素なシステムは飛行を確実にさせた。
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- ^ Cagle, Mary T. (1955年). “The Origin of Redstone's Name”. US Army, Redstone Arsenal. 2010年10月9日閲覧。
- ^ Parsch, Andreas (2002年1月22日). “PGM-11” (英語). Directory of U.S. Military Rockets and Missiles. Designation-Systems.Net. 2007年7月29日閲覧。
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