GP2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 14:46 UTC 版)
カテゴリ | シングルシーター |
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国・地域 | 国際 |
開始年 | 2005年 |
終了年 | 2016年 |
ドライバー | 22 |
チーム | 11 |
コンストラクター | ダラーラ |
エンジン サプライヤー | ルノー |
タイヤ サプライヤー | ピレリ |
最終 ドライバーズ チャンピオン | ピエール・ガスリー |
最終 チーム チャンピオン | プレマ・レーシング |
公式サイト | gp2series.com |
概要
国際自動車連盟(FIA)の管轄下にあった国際F3000に対し、GP2はF1の興業面の主導者であるバーニー・エクレストンとルノーのチーム代表だったフラビオ・ブリアトーレの肝いりで創設された[1]。2008年には拡張版のGP2アジアシリーズがスタートし(2011年まで)、2010年には下位カテゴリ(F3相当)となるGP3が創設された。さらに、FIAとエクレストンの政治的駆け引きにおいて、F1に対抗するGP1構想が噂になったこともある[2][3]。
GP2の位置付けはF3000と同じく、トップフォーミュラであるF1の直下にあたる。国際F3000がF1へのステップアップカテゴリとして十分機能しなくなっていたため、GP2はF1との接点が強調された。GP2の各ラウンドは基本的にF1ヨーロッパラウンドのサポートイベントとして開催され、F1と同じサーキットをF1の感覚に近いマシン、F1と同じメーカーのタイヤで走行するため、F1関係者の関心を得られるメリットがあった。GP2のエントラントはF1チームや自動車メーカーと提携し、育成ドライバーを受け入れるジュニアチームとして活用されていた。
歴史
2005年からGP2として再スタートし、初期のシリーズチャンピオンをはじめとした同カテゴリー出身のドライバーがF1でも結果を残し、より一層F1昇格への登竜門として注目された。とくに2006年王者のルイス・ハミルトンは2007年にF1デビューすると2008年にはF1王者に輝き、「ヨーロッパF2や国際F3000の王者はF1王者になれない」という長年のジンクスを破った。
ところが、「年間参戦費用が2億円近くかかり[4]、資金力のない者は参戦できない」「リバースグリッドなど独特の規定があり、新人には不利になる」「接触が多く、ドライビングが荒っぽい」などのマイナス面が目立つようになる。また、レース経験を積む場としては一定の成功をおさめたが、F1へのステップアップという点では評価が分かれた。その理由として以下が挙げられる。
- F1とのタイヤメーカーおよびレースで使用されるコースの違いを除けば、GP2等と同格として扱われていたフォーミュラ・ルノー3.5のほうが年間費用が安価であったため、こちらの方に参戦するドライバーが増え、相対的に人気が低下したこと[5]。
- 2009年まではステップアップカテゴリーとしてそれなりに機能していたが、2010年に登場したGP3の影響で次期F1ドライバーはそちらを優先するケースが増えたうえに、ダニール・クビアトやバルテリ・ボッタスのように、GP3からGP2を経由せずF1へ引き上げられるケースも出てきたこと。
- 複数年参戦しているドライバーの比率が高くなることはやむを得ないが、2010年以降のシリーズチャンピオンを筆頭にその状況が顕著に表れていた。そのうえ、2012年以降はチャンピオンドライバーでさえF1に昇格しづらくなるなど、ステップアップカテゴリーとしては停滞気味となったこと。
- ステップアップカテゴリーと強調しつつも、ハミルトンは早期に特筆する結果を残したものの、2005年のチャンピオンニコ・ロズベルグが2006年のF1参戦から10年後の2016年のタイトル獲得や2010年のチャンピオンパストール・マルドナドによるF1参戦2年目の2012年のスペインGP制覇など、ハミルトンに次ぐ結果を残したドライバーもいたが、後述のフォーミュラ・ルノー3.5出身のドライバーに比べると結果を残せないドライバーが多く、ステップアップとしての機能には疑問符がついたこと。
以上の状況より、F1直下のカテゴリーという位置づけでありながら、GP3との共食いやフォーミュラ・ルノー3.5の影響で存在価値が希薄化しつつあった。
2016年にFIAがF1のスーパーライセンス発給の指針となるポイントシステム[6]を導入した際、GP2はフォーミュラ・ルノー3.5より配点を高く設定され、シリーズの注目度は再び上がっていると見られた[7]。しかし翌2017年にFIAが定義するフォーミュラカーレースのカテゴリーが再編され、GP2の名はFIA フォーミュラ2選手権に改名される形で消滅した。
レギュレーション
- イベントスケジュール
- レースは1ラウンド毎2レース制。金曜日にフリー走行45分(2013年までは30分)と予選30分、土曜日にレース1(Feature Race,フィーチャーレース)、日曜日にレース2(Sprint Race,スプリントレース)を行う。2007年までモナコではレース2は行われなかった。
- タイヤルール
- タイヤはF1の公式サプライヤー製のワンメイクとする。タイヤウォーマーの使用は禁止。
- 2011年までは、各ドライバーにタイヤ4セットが支給され、レース2に1セットを必ず残し、フリー走行からレース1までを3セットでカバーする。レース1のピットストップではタイヤ最低2本を交換する。
- 2012年より、プライム(ハードコンパウンド)3セットとオプション(ソフトコンパウンド)1セットという2種類のタイヤが支給される。レース2にプライム1セットを必ず残し、フリー走行からレース1までを3セット(プライム2+オプション1)でカバーする。レース1のピットストップではタイヤ最低2本を交換する。
- 2014年より支給数がプライム3セットとオプション2セットに増やされた。レース1のピットストップでは4輪とも交換し、レース中に必ず両スペックのタイヤを使用しなければならない(ウェットタイヤ使用時は除外)。
- ポイントシステム
- 2011年までは、レース1がポールポジション(PP)に2点、ファステストラップ(FL)に1点、チェッカー順に上位8名に10、8、6、5、4、3、2、1点が与えられる。レース2はFLに1点、チェッカー順に上位6名に6、5、4、3、2、1点が与えられる。
- 2012年からは、レース1がポールポジション(PP)に4点、ファステストラップ(FL)に2点、上位10名に25、18、15、12、10、8、6、4、2、1点が与えられる。レース2はFLに2点、上位8名に15、12、10、8、6、4、2、1点が与えられる。ファステストラップに関しては各レース10位フィニッシュまでが対象となり、正規グリッド以外からスタートしたり、レース2中にタイヤ交換した場合は権利外となる。
- DRS
- 2015年よりドラッグ・リダクション・システム(DRS)の使用が認められる。使用区間はDRSゾーン内のみ。レース中は2周目以降に解禁され、前方車両との差が計測ポイントで1秒以内の場合使用できる。
- ^ なお、FIAは2009年にGP2と競合するフォーミュラ2(FIA-F2)を復活させたが成功せず、2012年に終了している。
- ^ "バーニー・エクレストン、“GP1"の商標を持ってFOTAサイドへ着く!?". オートスポーツweb. (2009年7月13日) 2016年2月21日閲覧。
- ^ “ブリアトーレがGP1シリーズの規定を策定? | Formula 1 | F1ニュース | ESPN F1”. web.archive.org (2017年7月6日). 2024年1月27日閲覧。
- ^ “特集:金持ちの世界 | Formula 1 | F1 特集 | ESPN F1”. web.archive.org (2011年11月28日). 2024年1月27日閲覧。
- ^ “GP2とフォーミュラ・ルノー3.5、F1ドライバーへの近道は?”. F1-Gate.com. (2013年11月6日) 2014年1月13日閲覧。
- ^ スーパーライセンス発給条件を数値化、SFも対象 - AUTOSPORT web・2015年1月6日
- ^ “レッドブル、育成2人をGP2に投入 | Formula 1 | F1ニュース | ESPN F1”. web.archive.org (2016年3月6日). 2024年1月27日閲覧。
- ^ つまり、レース1で8位のドライバーがポールポジション、レース1の優勝者が8番グリッドからスタートする。
- ^ The car and engine - GP2
- ^ GP2、コスト削減のために新シャシー導入を断念 - F1-gate.com・2013年6月18日
- ^ “GP2、来季もGP2/11シャシー使用。新車導入を2018年に延期”. AUTOSPORTweb (2016年7月5日). 2017年2月17日閲覧。
- ^ GP2、2015年からF1型DRSの導入を決定 - AUTOSPORT web・2014年9月18日
- ^ F1やプロ野球 横浜・広島も。月額1,750円のスポーツライブ配信「DAZN」開始,AV Watch,2016年8月23日
- ^ DAZN、F1解説に小倉茂徳を起用,F1-Gate.com,2016年8月24日
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