F-10D
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/24 01:27 UTC 版)
概要
F-05Dの後継機種で、クアッドコアCPUを搭載したモデル[1]である。
基本的な性能は同時期に発表されたau向けのISW13Fと同等だが、大きな違いとしてはXi(LTEサービス)に対応している点とおくだけ充電に対応している点である。また厚さがISW13Fに比べ1mm厚い。
NVIDIA Tegra 3を搭載しており、従来機種より省電力・高スペックを謳っている。CPU内にあるメインの4つのCPUコアに加え、動作クロックを抑えて低消費電力で駆動する「5つ目の省電力コア」と呼ばれる400MHzのコンパニオンコアを搭載している。
処理能力に応じて4つのCPUコアの稼働数を制限し、待受時や設定画面、音声通話、文字入力といった軽容量処理では「5つ目の省電力コア」だけを使用することにより、シングルコアCPUやデュアルコアCPUより低消費電力を実現している。さらにTegra 3には、12コアのNVIDIA GeForce GPUを組み込んでいるため、3次元描画を駆使した高解像度のゲームも楽しめる。
バッテリーは1800mAh。
カメラは1310万画素、フルHD(1920×1080)サイズのフルHDムービーの撮影に対応。ソニーの裏面照射型CMOS「Exmor R for mobile」と富士通セミコンダクターが開発した画質処理エンジン「Milbeaut Mobile」を搭載している。
IPX5/IPX8等級の防水/防塵に対応している。
兄弟機種であるREGZA Phone T-02Dと違いモバキャスには対応していない。反対に、T-02Dはおくだけ充電に対応していない[2]。
当時の富士通のAndroidスマートフォンは多数の機種で動作が不安定で、不具合が多かったが、その中でも、本機種は異常発熱など、特に致命的な不具合が多く、のちに訴訟に発展した。F-10Dの異常な発熱など致命的な欠陥に関して、NTTドコモに対し残債返金を訴える少額訴訟を起こして勝訴した人物がいるとして、メディアで取り上げられた。これによって、NTTドコモは原告に対し、F-10Dの残債免責5万円余りを支払った。
NTTドコモ側は「スマホはパソコンみたいなもの」「アプリの影響でおかしくなる」と言う反論に対し、原告は契約書、カタログ、料金明細、修理履歴(交換履歴)、不具合を起こした時の写真を用いて「契約の履行がなされていない」と主張し、原告の主訴が認められた[3]。
- ^ 日本のキャリアにおいて当時発売されたスマートフォンとしては初。
- ^ Qiの給電中にNOTTVの電波と干渉しやすいのが原因。ちなみに、その前後もARROWS XとREGZA Phone・ARROWS Vの間では棲み分けが図られている(F-05DとT-01D:Xiと指紋センサー、F-02EとF-04E:1.7GHzCPUと64GBストレージ)。
- ^ 不具合連発のARROWSユーザーがドコモに勝訴、返金される
- ^ 「NX!comfort UI」利用時で、かつプライバシーモード対応アプリ(「NX!電話帳」「NX!メール」※要ダウンロード)でのみ利用可能。spモードメールは対象外である。
- ^ 受信時:75Mbps/送信時:25Mbps
- ^ 受信時:7.2Mbps/送信時:5.7Mbps
- ^ 報道発表資料 : 「docomo NEXT series ARROWS X F-10D」を発売 | お知らせ | NTTドコモ
- ^ ドコモからのお知らせ : Android(TM)4.1、Android(TM)4.2へのバージョンアップ予定製品について | お知らせ | NTTドコモ
- ^ a b c d e f g h ARROWS X F-10Dの製品アップデート情報 | お客様サポート | NTTドコモ
- ^ a b ARROWS X F-10D Android 4.2.2 OSバージョンアップトップ - FMWORLD.NET(個人) : 富士通
- ^ docomo NEXT series ARROWS X F-10D サポート情報 | お客様サポート | NTTドコモ
- ^ OSバージョンアップ後、「本体設定」→「セキュリティ」→「左にスライドでカメラ起動」を有効にする必要がある。
- ^ 2013年7月22日に配信されたアップデートを実施しないとOSバージョンアップは不可。
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