AR-18
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 09:59 UTC 版)
派生した製品
AR-18は、安価なアサルトライフルであり、"西側寄り発展途上国のための AK"を目指した製品だったが、AR-15を発展させたM16が大量生産されて一挺あたりの単価も安くなり、これが輸出されることでAR-18をわざわざライセンス生産する意義が失われ、軍の主要装備として採用する国は現れなかった[注釈 1]。
しかし、M16のガス直噴作動方式と、そのデザインに由来する作動不良を忌避した多くの諸国では、AR-18を参考としたショートストロークピストン方式とマイクロロッキングラグを備え、形状もAR-18に類似したデザインのアサルトライフルが開発された。
後世のアサルトライフル、例えばXM8、G36、ブッシュマスターACR、FN SCAR、SA80、SAR-80などは、いずれもAR-18と同様のボルトキャリアグループとオペレーティングシステムを採用している。そのため、軍用銃としては失敗に終わったものの、その設計は非常に先進的なものと見なされるようになった[1]。
AR-18を参考としたアサルトライフルは、ベレッタ AR70/90やH&K G36など多数に上り、その影響はM16よりも大きなものとなった。かつてライセンス生産していたメーカーも独自の自動小銃を開発している。例えば、スターリング・エンジニアリング社はスターリング SAR-87 、豊和工業は89式5.56mm小銃、中華民国国軍は65式歩槍、86式歩槍、91式歩槍である。
2019年には、AR-15のロアレシーバーに取り付けられる本銃のアッパーレシーバーが発売された[5]。これはブラウネル社(Brownells)が開発したBRN-180システムとして知られるキットで、組み込まれたライフルはAR-18と同様にショートストロークピストン方式で動作する。AR-18と同様、通常のAR-15では構造上使用できない折畳式銃床を取り付けることもできる。また、レシーバーには照準器を取り付けるためのピカティニーレールが設けられている[6]。
- ^ a b c d e f g h “The ArmaLite AR-18/AR-180 Rifles: The Rifle that Never Could”. SmallArmsReview.com. 2020年12月24日閲覧。
- ^ a b c “ArmaLite AR-16”. Historical Firearms. 2020年12月25日閲覧。
- ^ a b c d e “A Look Back at the ArmaLite AR-18/180”. American Rifleman. 2020年12月24日閲覧。
- ^ “The AR-180 is poised to make a comeback”. Military Times. 2020年12月25日閲覧。
- ^ Gun Professionals 2019, pp. 36, 55.
- ^ “Modern AR-180: The Brownells BRN-180 System”. American Rifleman. 2020年12月24日閲覧。
- ^ 参議院会議録第55回国会予算委員会第10号(PDF) - 国会会議録検索システム
- ^ a b 衆議院会議録第71回国会地方行政委員会第9号(PDF) - 国会会議録検索システム
- ^ 衆議院会議録第71回国会内閣委員会第23号(PDF) - 国会会議録検索システム
固有名詞の分類
- AR-18のページへのリンク