AIR (ゲーム)
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劇場版
2005年2月5日に東映アニメーションによる劇場版アニメが公開された。
当初は2004年秋公開予定だったものの約半年延期となって公開された。
劇場版は中村誠の脚本の案を元に監督の出崎統が原作者によるアドバイスや要請も踏まえて脚色した「もう一つのAIR」というコンセプトとなっている[23]。上映当時はミニシアターランクで上位をキープした。後にこの劇場版は、劇場版CLANNADロードショー記念として短期間ながらリバイバル上映が行われた。
大きく脚色した物語故に、原作ファンの支持が思ったように得られなかったことが、コメンタリーで出崎と中村によって語られている。事実、出崎統の公式ファンサイトでは、頻繁に荒らしが多発し、掲示板の体制を変えざるを得ない事態にまで陥った。
プロデューサーの東、脚本の中村とともに、90分に収められるかどうかということを非常に悩んでおり、特に中村は準備稿を少なくとも十稿は重ねていた。入場者数は上述の通りの成績を残しており、劇場版CLANNADを上映するキッカケの一つとなった。DVD発売においては、二種類の初回限定版(スペシャル、コレクターズ)が用意された。
スタッフ(劇場版)
- 原作・監修 - ビジュアルアーツ / Key
- 監督 - 出崎統
- 脚本 - 中村誠
- キャラクター原案 - 樋上いたる
- キャラクターデザイン - 小林明美
- 色彩設定 - 塚田劭
- 作画監督 - 窪秀已
- 美術監督 - 行信三
- 原曲 - 折戸伸治、戸越まごめ、麻枝准
- 音楽 - 周防義和
- 音楽監督 - 鈴木清司
- 音響監督 - はたしょうじ
- CGディレクター - 吉安徹
- デジタル撮影監督 - 福田岳志、白鳥友和
- 編集 - 後藤正浩
- 製作担当 - 松坂一光、森山義秀
- 製作 - 東映アニメーション、フロンティアワークス
主題歌(劇場版)
- オープニングテーマ「鳥の詩」
- 作詞 - 麻枝准(Key) / 作曲 - 折戸伸治 / 編曲 - 高瀬一矢(I've) / 歌 - Lia
- 挿入歌 「青空」
- 作詞・作曲 - 麻枝准(Key) / 編曲 - 折戸伸治 / 歌 - Lia
- エンディングテーマ「Farewell song」
- 作詞 - 麻枝准(Key) / 作曲・編曲 - 戸越まごめ / 歌 - Lia
- 劇場版イメージソング兼エンディングテーマ「IF DREAMS CAME TRUE」
- 作詞 - Linda Hennrick / 作曲 - 羽岡佳 / 編曲 - 岡崎雄二郎 / 歌 - 河井英里(原曲:「ふたり」原作曲:折戸伸治)
EDテーマは「Farewell song」、「IF DREAMS CAME TRUE」の順で流れる。
その他
- 中村誠は、企画が本格化した後の構成のプロット(監督の出崎の目も通したもの)を幾度か麻枝准に見せ、アイデアや意見を貰って製作していた。結局一年間の長きに渡って付き合ったそれは、大学ノート三冊分にまで達していたという。その一部はパンフレットなどに記載されている。
- 出崎統に本作の監督就任をオファーしたのは、横田守である[24]。
- 公開初日と二日目は、一部の劇場では昼頃までに、殺到した客に対し劇場側が配布した整理券や販売チケットが全て終了してしまうという事態が起こった[25]。
- 前売り券第一弾のPVでは、佳乃や美凪といったヒロインも登場するかのような演出がなされていたが、本編ではみちる共々ゲスト出演となった。
注釈
- ^ 2008年以降出荷分より。
- ^ a b 作中における表記より。過去編(SUMMER)では「方術」で統一されているが、現代編(DREAM/AIR)では「法術」に置き換えられている。
- ^ Keyの他作品でも小ネタとして登場している。
- ^ 主にキャラクターの登場シーン等で再生される。
- ^ 「第三者の審級」とは大澤真幸の造語で、「規範の妥当性を担保する超越的な他者」としている[15]。ポストモダンの到来によって失われたとされる「大きな物語」[16][17]あるいはラカンの三界でいう「象徴界」[18]のような意味で使われている。
- ^ 佐藤が、KEY作品『MOON.』『ONE 〜輝く季節へ〜』『Kanon』『AIR』に共通するとしているモチーフを指す。自分の中にある「もうひとつの世界」のこと[20]。
出典
- ^ a b 実行ファイルのプロパティに記載。
- ^ PSVita版製品情報ページ プロトタイプ
- ^ PSPで再びよみがえる「AIR」 ITmedia +D Games (2007年11月2日)
- ^ さまざまな事情を持つ少女たちと作られる恋の物語『AIR』 ファミ通.com (2006年10月2日)
- ^ Windows初版のみ、「PC-NEWS」調べ。
- ^ 株式会社プロトタイプ[1]
- ^ 東浩紀、更科修一郎、元長柾木 著「どうか、幸せな記憶を。」、丹羽洋介、前島賢 編『美少女ゲームの臨界点』(初版)波状言論、2004年8月15日、118頁。ISBN 4-9902177-0-5。"2000年の秋に『AIR』が出て、その後の冬コミで『月姫』が出た。『AIR』の同人や商業アンソロジーが『Kanon』ほど盛り上がらなくて、それで冬コミが終わったあたりから話題になり始めた。"。
- ^ 東浩紀・佐藤心・更科修一郎・元長柾木 「どうか、幸せな記憶を。」『批評の精神分析 東浩紀コレクションD』 講談社、2007年、261頁、ISBN 978-4-06-283629-6
- ^ 『電撃王 通巻110号』メディアワークス、2000年8月1日、147頁。
- ^ “Ducati monster in "AIR"”. 2023年8月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 『リスアニ! Vol.49.2』 ソニー・ミュージックソリューションズ、2022年9月29日発行・発売、84頁、ISBN 978-4-7897-7346-1
- ^ a b 『BugBug』2001年3月号、154-161頁。
- ^ 東浩紀・佐藤心・更科修一郎・元長柾木 「どうか、幸せな記憶を。」『批評の精神分析 東浩紀コレクションD』 講談社、2007年、238-239頁、ISBN 978-4-06-283629-6
- ^ a b c 東浩紀 「萌えの手前、不能性に止まること」『ゲーム的リアリズムの誕生〜動物化するポストモダン2』 講談社、2007年、304-326頁、ISBN 978-4-06-149883-9。
- ^ 大澤真幸 『不可能性の時代』 岩波書店、2008年、103頁、ISBN 978-4-00-431122-5
- ^ 東浩紀・大澤真幸「ナショナリズムとゲーム的リアリズム」『批評の精神分析 東浩紀コレクションD』415頁。
- ^ 東浩紀・大澤真幸「虚構から動物へ」『批評の精神分析 東浩紀コレクションD』65頁。
- ^ 東浩紀・大澤真幸・斎藤環「シニシズムと動物化を超えて」『批評の精神分析 東浩紀コレクションD』164頁。
- ^ 『不可能性の時代』103頁・205-206頁。
- ^ a b c d 佐藤心「オートマティズムが機能する2 —あらゆる生を祝福する『AIR』」『新現実』VOL.2、241-250頁。
- ^ "連載「美少女ゲームの哲学」第五章 臨界点の再点検【4】". WEBスナイパー. 大洋図書. 2012年1月15日. 2023年10月29日閲覧。
- ^ AV Watch 本田雅一のAVTrends - 専用プレーヤーを超える「PS3」アプコンの秘密「“Air”BD版と同レベルを目指した」
- ^ 劇場版AIR 公式サイト中村誠コメント(2004年11月23日時点のアーカイブ)
- ^ 劇場版AIR 公式サイト東伊里弥プロデューサーコメント(2004年11月23日時点のアーカイブ)
- ^ 劇場版 AIR
- ^ [2]
- ^ 桂遊生丸 『AIR』 角川書店〈角川コミックス・エース〉、2006年、160頁
- ^ “STAFF/CAST”. TVアニメ「かぎなど」オフィシャルサイト. 2021年9月24日閲覧。
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